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レッスン88【em】 ページ48

「…あ、雪……」
「その時A国は…ああ、ホンマや」
「何気これ初雪じゃない??
去年より遅い気がするんだけど」
「せやな…へぇ、もうこんな季節なんや」


エーミールとの勉強会(仮)にて
ふと窓の外を見ると、しんしんと降り積もる
雪に、今はもう冬なんだと気付かされる。


「時間ってあっという間だね〜」
「ついこの間までは秋やったんにな」
「ねぇエミさん、ちょっと休憩しようよ。
私見せたいものがあるの」
「ん、長い時間やったしな…別にええよ。
見せたいものって??」


私は彼の手を取り、図書室を飛び出した。
慌てふためく彼に笑顔で「早く!!」なんて
言いながら、長い廊下を走る。
そして着いた場所は____
─────
幹部でさえも戦闘の際にしか立ち寄らない
小さな砦。
此処から矢を撃ったりする事もあるが
基本的には誰も足を運ばない場所だ。
だが、私はこの場所が好きだったりする。


「ほら、早く早く!!」
「速いってA…!!」
「はいっ、着いたよ!ほら!!」


そう言って私は空を指さした。
少し息を切らしながら、彼は空を仰ぐ。


「うわ…すごい…」
「今日は雲一つない快晴の空!!
別の日でも良かったんだけど…やっぱり
今日がいいなって思ってね!!」


上には満天の星空が広がっていた。
はぁ、と感嘆の声を漏らした彼の瞳には
綺麗な星空が反射して見えた。


「わざわざこれを見せるために此処に…??」
「うん、だって此処から見る星が
一番綺麗なんだもん」
「そうやったとしても…流石にコートくらい
着んと寒いやろ…」
「私はまだまだ若いからへーき
…っぐぇっしょい!!」


そんなのは嘘。正直寒い。死にそう。
ズビーッと鼻をすする音が静寂の中
響いて「ムードも台無しやな」なんて
笑いながらも、彼は私にコートを
かけてくれた。


「ありがとうな、A。
ホンマに綺麗やわ…ほら、あそこに
冬の大三角形あるで??」
「えっどこどこ…オリオン座があるのは
分かるけど〜…!!」
「…あそこやって」


そう言うと彼は私の背後に回り、
そのまま私を抱き締める様にして指を指した。
コートの上から、彼の熱が伝わってくる。


「…エミさん、昔より大胆になったね??」
「俺は元からこんな感じやで」
「えーっ、嘘だ。昔は穏やか〜って感じ
だったのに…今じゃもう男じゃん、男」
「…嫌やった?」


後ろから少し覗き込んできて、私の返答を
待つかのように、じっと見つめてくる。


「別にー?」
「なんや、素直やないなぁ…」
「もうっ…うるさいよ!!」

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あおりん(プロフ) - Aの化身さん» 私は日々疲れているんだよ(適当) (2019年4月23日 21時) (レス) id: d835d0636f (このIDを非表示/違反報告)
Aの化身(プロフ) - 最近更新の波に乗ってるな…そうか、疲れたか(すっとぼけ) (2019年4月21日 20時) (レス) id: dad4428741 (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - はっちゃんさん» イケシマ最高だよね(自画自賛)応援ありがとー!! (2018年7月16日 14時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - イケシマ最高だね。応援する (2018年7月16日 13時) (レス) id: 73631aae6a (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです…!!更新頑張ります!! (2018年7月15日 18時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あおりん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年7月12日 22時

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