レッスン83【zm】 ページ43
「ん?なんやA、顔青いけど大丈夫か??」
「…誰のせいだと思ってるんですかねぇ……」
隣にはキョトンとしたゾム。
そして目の前には大量の昼食。
テーブルに乗らない分は椅子の上に。
…どうしてこうなった??
「Aが元気無さそうやから
沢山飯貰ってきたんやけど…」
「別に低血糖で元気無い訳じゃないよ…??」
「え、そうやったん?
…まぁええわ、勿体ないし食おうや」
無理むりムリ!!
ピザにハンバーグにカレーライスに寿司。
こんなの身体のどこに入るってのよ!!
…多分ゾムなりの気遣いなんだろうけど。
「…ありがとうゾム、でももう大丈夫だよ?」
「大丈夫じゃない奴は大丈夫って言うんやで」
「…ッ、ほんとに大丈夫だってば」
「Aは昔から1人で抱え込む
性格やったな。今と昔で全然変わってへん」
昔…??
確かに、グルッペン達とは幼い頃から
関わりがあったが…。
ゾムとはこの城で初めて会ったハズだ。
"……くん、私大人になったらねぇ
シンデレラになりたいの…!!"
そんな時、ノイズがかった記憶の一部が
頭の中で再生される。
それは幼い頃の私。
"ええやん、じゃあオレが王子様になって
Aを迎えに行ったるわ!!"
そこにはその頃、親しかった少年が居て。
いつも本を読み聞かせてくれたその子は。
その子の名前は_____
「…Aにはガラスの靴がぴったりや」
"…うんっ!!待ってるね、ゾムくん!!"
「…迎えに来るのが遅いわよ、王子様??」
「…ッ、さぁ…なんの事か分からへんなぁ??」
「なにとぼけてんのよ、ばーか」
「ほら、早う食わへんと冷めるで」
…全く、折角思い出したというのに
何故そこまでとぼけるのだろうか。
──────
-zm side-
本当は嬉しくてうれしくて、堪らなかった。
それはもう、抱きしめたくなるほどに。
(あかん、これ以上困らせたら)
分かっているのに。
こんなにも苦しくて、ズキズキと痛む心は。
俺の意思を逆らおうとする。
(俺は、お前の王子様になれへんねん…)
「…誰かと勘違いしとるんちゃう??」
自分の感情を閉ざす様に
俺はぎこちない笑顔で彼女に笑いかけた。
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あおりん(プロフ) - Aの化身さん» 私は日々疲れているんだよ(適当) (2019年4月23日 21時) (レス) id: d835d0636f (このIDを非表示/違反報告)
Aの化身(プロフ) - 最近更新の波に乗ってるな…そうか、疲れたか(すっとぼけ) (2019年4月21日 20時) (レス) id: dad4428741 (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - はっちゃんさん» イケシマ最高だよね(自画自賛)応援ありがとー!! (2018年7月16日 14時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - イケシマ最高だね。応援する (2018年7月16日 13時) (レス) id: 73631aae6a (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです…!!更新頑張ります!! (2018年7月15日 18時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)
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