レッスン82【kn】 ページ42
-kn side-
「なにひよっとんねん、らしくないな」
「…これ以上アイツ傷付けたくないねん」
そんな一言を吐き捨てて大先生は自室へと
戻っていってしまった。
ふと窓の方を見れば、空が明るくなっていた。
─────
「A、はよ起きろや」
「ん…シッマ…??今日なんかあったっけ…」
「…ええから行くぞ!!」
「えぇっ!?ま、待って、ちょっと…!!」
寝起きで頭が回っていない彼女を担ぎ
勢いよく外へ飛び出した。
俺は目的地へと全速力で走る。
彼女が落ちないように、強く抱き締めて。
「流石の私もこの歳でお姫様抱っこされるの
恥ずかしいよ…!!ねえシッマ下ろしてぇ!!」
「この歳って、まだお前若いやろ」
そうこうしている内に目的地が見えてくる。
早く、1秒でも長く、彼女とあの場所に。
嗚呼…楽しみで仕方がない。早く、早く…!!
──────
「わぁ…綺麗…!!」
「はぁっ、はぁ…間に、あった…はぁ…」
目的地の海へ着くと
彼女は感嘆の声を漏らした。
水平線の向こうから、朝日が昇ってくる。
キラキラと輝いた水面が
彼女の瞳を輝かせた。
「…馬鹿ぁーーーーーっ!!」
「………ぇ、」
「ばか、みんなのバカぁ…!!分かってないよ
みんな…私の事何にも分かってないよぉ…!!」
突然、海に向かって叫び出した彼女は
ぼろぼろと大粒の涙を流しながら
震えていた。
「…ごめんなA、困らせてもうたな」
「私だって、私だって分からないよ…!!
どうしたらいいのか、わかんない…」
「…焦らんくても、待っててくれるやろ。
アイツらはそーゆー奴らやからな」
泣きじゃくる彼女を優しく抱きしめる。
何も出来なかった自分への怒りと
彼女に伝えることの出来なかった想いを
込めて。
────
-A side-
「落ち着いたか…って!!
俺の服で鼻水拭くな阿呆!!おいA!!」
「…寒い、お腹空いた」
「あーはいはい、今から帰るから待てや…」
「だめ、まだもうちょっと居たい」
彼は「どっちやねん…」と呆れた表情を
しているが、嫌そうではない。
これは彼なりの気遣いなのだろう。
海に来るのなんて久しぶりだ。
しかも此処から朝日を見れるなんて。
「…ありがとねシッマ。
偶にはいい事するじゃん?」
「俺はいつもいい事しかしてへんしな。
これぐらいどうって事ないわ」
「はいはい…いっつも一言多いんだから…」
彼が此処に連れてきてくれたお陰で
少し心がスッキリした気がする。
未だに抱き締めていてくれる彼に身体を
任せ、私は再び瞼を閉じた。
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あおりん(プロフ) - Aの化身さん» 私は日々疲れているんだよ(適当) (2019年4月23日 21時) (
レス) id: d835d0636f (このIDを非表示/違反報告)
Aの化身(プロフ) - 最近更新の波に乗ってるな…そうか、疲れたか(すっとぼけ) (2019年4月21日 20時) (レス) id: dad4428741 (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - はっちゃんさん» イケシマ最高だよね(自画自賛)応援ありがとー!! (2018年7月16日 14時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - イケシマ最高だね。応援する (2018年7月16日 13時) (レス) id: 73631aae6a (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです…!!更新頑張ります!! (2018年7月15日 18時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)
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