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レッスン81【ut】 ページ41

「ねぇ大先生…恋って何だと思う??」
「ん〜難しい質問やな…なんや急に、
遂に告られたんか??」
「なっ…なんでそれ、知って…!!」
「顔見たら分かるわ。溜息も多いし
ずっとぼーっとしてるし」


大先生は見ていない様で
割と周りをよく見ている。
そしてこーゆー事に関しては勘が鋭い。


「ってか、遂にって…??」
「お前知らんのか?
ウチの幹部皆、Aの事好きやで」
「えぇ!?そうなの…?じゃあ、大先生も??」
「…さぁ?それは言わへんけど」


はぁ??
なにこの人意地悪!!
しかも幹部皆が私の事…いやいや
流石にないでしょ…!!
そんな…ね、小説の中の話しじゃないんだし
イケメンからモテモテとか…!!


「…いやないない!!ありえないよ!!
だって皆が壁ドンしてきたり、
その…キス、とかしてくるのは…」
「レッスンに付き合ってくれているだけ、
…ただそれだけやと思うか??」


…なんで、だって、皆レッスンに。
仕方ないとか言いながらも、
付き合ってくれただけで、それだけで。


「好きでもない女にキスなんてするか??
…少なくとも俺はせぇへんよ」
「そ、れは…」
「Aは気付いてないみたいやけどさ。
アイツらは、勿論俺も…お前の事
めっちゃ大事に思ってるんやで??
それはもう、過保護すぎる程になぁ…」


そう言って笑う彼は少し困った様な顔を
していて。
私はなんて言葉を返せばいいのか
分からなかった。


「これ以上Aを困らせたくないし…
もう何も言わへんけど。
どうするかはAが決めることやし」
「…大先生、」
「じゃ、煙草吸ってくるわ」


私の言葉を遮って、彼は行ってしまった。
…ねえ、私はどうしたらいいの……??
─────
ut side

「…ふぅ、なんかカッコつけてもうたな」


煙草の煙を吐きながら呟く。
結局最後まで言えなくて、自分は弱虫だなと
改めて感じた。


「はは…情けねぇな、俺。
本気で好きな奴には言えないで…」


でも、彼女は今本気で悩んでいる。
そんな時に、もっと困らせてしまうのは
嫌だったから。


「ホンマに、恋って難しいよなぁ…」


あっという間に短くなった煙草の
火を消し、ため息をつく。


「あーあ、振られてもうた。
告白すらしてへんけど」


俺が彼女の言葉を遮った時、
あの時彼女は、なんて言おうとしたのだろう。


「…強くて、優しくて、他人の幸せを願う。
そんな子、俺の周りには1人しか居らんわ」


「…好きやで、今も、これからも…なんてな」

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あおりん(プロフ) - Aの化身さん» 私は日々疲れているんだよ(適当) (2019年4月23日 21時) (レス) id: d835d0636f (このIDを非表示/違反報告)
Aの化身(プロフ) - 最近更新の波に乗ってるな…そうか、疲れたか(すっとぼけ) (2019年4月21日 20時) (レス) id: dad4428741 (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - はっちゃんさん» イケシマ最高だよね(自画自賛)応援ありがとー!! (2018年7月16日 14時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - イケシマ最高だね。応援する (2018年7月16日 13時) (レス) id: 73631aae6a (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです…!!更新頑張ります!! (2018年7月15日 18時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あおりん | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年7月12日 22時

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