レッスン61【sinpe】 ページ20
「聞いてよペ神〜!城下町の子たちから色々貰った!!」
「へぇ、随分人気者やね〜」
「ふふん、いいでしょ!!」
彼女は得意げな笑みを浮かべる。
今日は珍しく城下町に散歩をしに行ったようで
入浴剤やぬいぐるみ、洋服など様々なものを
抱えて帰ってきた。
「でもさ、なんか勿体なくて使えないんだよね」
「まあ、Aの部屋ってゴチャゴチャしてるしな」
「そうそう…ってなんで知ってるの!?」
「さあ…なんでやろなぁ??」
こっそり入った…なんて言ったらどこで誰が
聞いているか分からない。
粛清されるのは好きじゃないし。
「それにしても、Aって城下でもモテるんやな」
「モテるってかあれだよ…んー…人気がある?
…え、城下で”も”ってなに??」
…やはり彼女は恐ろしい程に鈍感だと思う。
あれだけ分かりやすい連中が周りに
居るというのに、全く気付く様子がない。
「…いや逆にそっちの方が可愛いんか??」
「ねえペ神、なにボソボソ言ってんの??」
そう言って彼女は下から覗き込んできた。
本人は特に気にしていないんだろうけど、
こーゆー何気ない仕草が可愛いんやろうな。
「んー??Aが可愛いなって言ってただけ」
俺は自分の思いを隠すように、彼女の頭を
くしゃっと撫でた。
「わっ…!?ちょ、なによいきなり…らしくない」
「俺やって女の子は好きやで??可愛いし」
「…なんか、悔しい……」
少し頬を膨らませているが、内心は嬉しそうに
見えた。
「ほら、今日貰った入浴剤入れて風呂行ったら?」
「うーん…勿体ないけど、そうしよっかな」
彼女はひらひらと手を振りながら、
浴場へと駆けて行った。
その背中が見えなくなった頃、ふと後ろに感じる
気配に向けて言葉を掛けた。
「…で、お前は何しに来たんやロボロ」
「…ッ!?き、気付いとったんか…!!」
壁からひょこっと顔を覗かせるロボロ。
どうやら今までの一部始終を見ていたらしい。
「なに、もしかして俺に妬いた??」
「はぁ!?べ、別に…俺やって頭なでなでとか…
出来るし」
「Aより小さいのに??」
「やかましいわ阿呆!!」
誰を応援する、とかは特にないけど。
皆には頑張って欲しい、とは内心思っている。
「…ロボロ、そんなに俺に掘r」
「あ、そういえばまだ仕事あるんやったわ!!
片付けてくる!!」
そう言うと、彼は全速力で走り出した。
…今日も平和やなぁ。
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あおりん(プロフ) - Aの化身さん» 私は日々疲れているんだよ(適当) (2019年4月23日 21時) (レス) id: d835d0636f (このIDを非表示/違反報告)
Aの化身(プロフ) - 最近更新の波に乗ってるな…そうか、疲れたか(すっとぼけ) (2019年4月21日 20時) (レス) id: dad4428741 (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - はっちゃんさん» イケシマ最高だよね(自画自賛)応援ありがとー!! (2018年7月16日 14時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)
はっちゃん - イケシマ最高だね。応援する (2018年7月16日 13時) (レス) id: 73631aae6a (このIDを非表示/違反報告)
あおりん(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!!そう言ってもらえてすごく嬉しいです…!!更新頑張ります!! (2018年7月15日 18時) (レス) id: 3b5af45ab7 (このIDを非表示/違反報告)
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