弟、ジョングク (ページ10)

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幼き日ページ10

友達と一階の渡り廊下を歩いていたら、向こう側、中庭でグクの姿を見つけた。

その向こうには女の子の影があった。

気になった私は、ダメだとはわかっているものの気づかれないくらいの近さまで近づいた

「ジョングクくん、好きです。つきあってください、！」

告白だった。私はそれを聞いた時、グクが自立してくれるかもしれない、という喜びの反面、グクが他の誰かのものになってしまうのでは、という寂しさで渦巻いていた。

「ごめんね、俺、好きな人がいるから。」

衝撃だった。いつも一人称が僕なのに、俺、と言ったことにもびっくりしたが、何よりも、小さい頃もつい最近までも何かあればすぐに私に言ってくるような子だった。

私はグクに好きな人がいることすら知らない。そう考えると心にぽっかりと穴が空いたようだった。

それ以上2人の会話を聞いていられなくて、私は足早に渡り廊下へと戻った。

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「そっか、じゃあ最後に一ついい？

ジョングクくんの好きな人はどんな人なの？」

「うーん、俺よりも年上で、それなのにとても可愛いんだ。そして包容力もあって俺がヌナ！って言うといっつも優しく話しを聞いてくれる、俺の唯一の心の拠り所みたいな人だよ。」