弟、ジョングク (ページ27)

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幼き日ページ27

それから間も無くして、午後の競技が始まった。

私は可もなく不可もなく、自分の出番を終えた。

ふと、つい先程のテヒョン先輩を思い出す。

—みててね。—

そう言ったテヒョン先輩の顔こそ見えなかったけれど、声音は真剣そのものだった。

テヒョン先輩はどういう意味で言ったのだろう。

それから程なくして、新しい競技が始まった。

「おーっと、3年のキムくんは校長先生のメガネ！
そして2年のシンくんはなんとミニスカ美人！！無事、探して来れるのでしょうか！！！！！」

始まったのは、借り物競走だった。

借り物といっても、中には物以外もあり、もちろん人に関するお題も入っている。

途中で「かっこいい人」というお題が出てきた時、
そのお題を持ってグクめがけて走ってきたと思ったら

「ちょっと！今テヒョンくん競技でいないから、君がきて！」

なんて、連れ去られそうになっていたけど

「悪いけど、もうヌナから離れられないから。」

なんて言って拒否していた。

面白いお題が次々と出る中、最終列まで来た。

その中には、私によって頭にハチマキをきつく締められたテヒョン先輩がいた。

見つけた途端に目が離せない。

「みててね。」

蘇るさっきの言葉。

スタート位置についたテヒョン先輩の横顔は綺麗だった。

私が見惚れると同時にスタートのピストルがなった。

と、同時にテヒョン先輩は自分のレーンのお題に一目散で飛び込んでいった。