弟、ジョングク (ページ25)

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幼き日ページ25

その日の体育祭は、生徒の家族も入ることができ、休日だったためグラウンドにはたくさんの人がいた。

もちろん、グクも来ていた。

最近また身長が伸びてきたグクは、その可愛らしい顔と相まって自然に周りの視線を集めていた。

それに反してグクはそんなことにはお構いなしに私のそばを離れなかった。

「ねえ、Aの隣にいるこの子、もしかして、彼氏？？」

こんなふうに聞いてくる友達やもはや全く知らない先輩たち。

「！！！！そうです、いつもAがお世話になっています！」

隣でいきいきとそう答えるグク。

『ち、違うよ！この子はジョングクで、私の弟なの！』

そう何回も否定するたび、グクは隣で不貞腐れているようだった。

『グク、なんでそんな嘘つくの？』

「だってそうやって牽制しとかないと誰かに取られたら大変だもん」

でしょ？という顔でこちらを見つめるグク。

『でも私たちは姉弟なんだから。そんなありえない話はしないの。』

「、、、でもほんとの姉弟じゃないよ」

『何か言った？』

「、、、ううん、何も！ほら、ご飯食べよ？母さんがたくさん作ってくれたんだよ！」

何か言った？なんて、嘘だった。

聞こえていた。

ほんとの姉弟ではない。

この言葉を、聞いてはいけない気がして、私は聞こえないふりをした。