弟、ジョングク (ページ20)

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幼き日ページ20

そこにいたグクの目は、いつものまんまるで可愛らしいものではなく、何かを威嚇するような、そんな目だった。

そしてそれが、私の隣にいるテヒョン先輩に向けられているものであるのは、明らかだった。

真夏はもう過ぎたはずなのに、冷や汗が額を伝う感覚。

私は何も悪いことをしていないのに、なんだかきまりが悪くなって、グクと目を合わせられなかった。

「こんばんは、ジョングクくん」

そんな沈黙を最初に破ったのはテヒョン先輩だった。

「、、、こんばんは。どちら様ですか。」

「Aの1個上のテヒョンだよ。ジョングクの話はAからよく聞いてる。」

なんだか一触即発のような空気感に耐えられない。

「テヒョン先輩がね、送ってくれたの！ほら、夜道は危ないって！」

そう咄嗟に言葉を発しても、いつのまにか近くまで来ていたグクはあんまり納得していなさそう。

と思ったのも束の間、腕を引っ張られたと思ったら、私はいつの間にかグクの胸の前にストンと収まっていた。

「今日は送ってくださりありがとうございました。
でももう大丈夫です、僕が迎えに行きますから。」

そう言って私の腕を掴んだまま家の中に入った。