弟、ジョングク (ページ16)

今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:140,254 hit

幼き日ページ16

結局グクはほんとうに校門の前まで来て、

学校には間に合うのかと聞いたら、走れば間に合う、と笑いながらいうので、また愛おしさがこみ上げた。

いつの間にか自然につながれていた手を離そうとすると、名残惜しそうにするグク。

ああ、可愛い、、。

『じゃあね、また家で会えるんだから。』

そう言ってもビクともしないグクが突然手を離したと思ったら、力いっぱいにわたしを抱きしめた。

『ちょ、グク、ここ、どこかわかってるの？』

ーあの子たち、何やってるの？

ー朝から熱いなあ、彼氏の見送りか？

そんな声もポツポツと耳に入ってきて

「んーー、、ヌナに会えないのは寂しいけど、これで今日1日頑張れそう！じゃあね、ヌナ！」

と言って未だ視線を集めているこの状況に、グクが去っていくタイミングで気づいて、

『じゃあね、弟のジョングク！！！』

ーなんだ、姉弟か

ーどこの熱いカップルかと思ったのに

誤解が解けたみたいで良かった。

わたしは知らなかった。安心しきっていた。

誤解が解けたことに。

ジョングクが悲しんでいたことに、全く、気づかなかったんだ。