おとなりさんのそらるさん。【歌 い 手】

おとなりさんその22 ページ24

＊天月 Side＊

　

「…あれはもうデート、というか…」

「何ていうか、幸せそうやな！」

　
車を飛ばして、そらるさんたちが来ているであろう公園にたどり着いた俺達。
二手に分かれて、探していると2人はすぐに見つかった。
その距離はそらるさんが気を遣っているのか、少し離れているような気がしないが
なんていうか、雰囲気というか2人の周りの空気がカップルのそれな気がする。

　
「…よかった。」

「うらさん？」

「いや、何でもない。」

「…水藻が、幸せになれそうでよかったなうらさん。」

「…あぁ。」

　
うらたんと坂田は本当に嬉しそうに、2人を見ていた。
なんだかんだでうらたん達とAはもうすぐ5年の付き合いになるそうで
2人しか知らないこともあるんだろうな。
でも、俺だって嬉しいさ。大好きな2人がこうやって結ばれようとしてるんだからね。

　
「……さん…」

「まふ？」

「…どうしよう、本当に嬉しいんだけど……」

「けど？」

「心のどっかにリア充爆発しろって思う自分がいてぶっ飛ばしてやりたい……」


　
まふ君……でも、そらるさんたちを見ているまふ君は本当にうれしそうで。
でもどこか寂しそうにも見えるけど…大丈夫でしょ、まふ君なら。

　
「あの様子なら、何も問題ねぇだろ。」

「だねー、で、俺達これからどうする？」

「もう少し見てようかなぁ…あ、写真とっとこ。」

　
まふ君がスマホをそらるさんたちに向ける。
何枚か撮った後に、満足げに帰ろうと言いだした。
ホントにこの後どうしよう……なんて思っていたら坂田が何か慌てだした。


「……え。」

「どうしたのさかたん。」

「い、今…そらるさんと目が合ったような。」

「…間違いじゃないみたいだよ…？」

　
慌てたような坂田の声と、焦っているまふ君の声。
スマホを見ていたから、もしかしてとまふ君のスマホをのぞき込めば。

　
「なんでいるの、まふまふ？……あれま。」

「バレてんじゃーん。」

「お、俺これなんて返せばいい…！？」

「…頑張れ、まふまふ。」

「うらたさぁぁぁん！」

「とりあえず……帰ろか。」

　
坂田の一言で、逃げるように公園を後にした俺達。
だけど、やることはしっかりしていたらしく。
車の中ではそれぞれが撮影していた写真を見て楽しんでいた。

　
「ねぇ、これ見てよ！」

「どれどれ…？天ちゃんやるじゃん。」

「でっしょー？」


　
そらるさん、絶対に両想いになってくださいね！

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