おとなりさんのセンラさん。【歌 い 手】

おとなりさんその1 ページ3

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「…締め切りまで、あとどれくらいだ…？」

　
気が付いたら寝てたらしく、伸びをしたらあちこちから音が鳴った。
そろそろ運動しないとまずいかなぁ…とか思ったら、久しぶりに隣からわずかに音が聞こえた。

　
「…あ、隣人入ったんだ。」

　
今度は誰だろうなぁ……なんて思いながらスマホを見れば
通知が山のように来ていたから、そっと見なかったことにする。


　
「あ、nqrseとめいちゃんのラインは返しておかないと…」

　
　
ラインを開いて、その2人にだけ返しておく。
あれ、そう言えば私自己紹介的なのしてないよね。
どうも、赤神Aと言います、この名前でしがない小説家を
そして、Rougeという名前で、しがない歌い手をしております。

　
「担当め…締め切りまであと2週間あるでしょうよ。」

　
そんなわけで、ほぼ徹夜して執筆をしていたのだけれども…
そろそろご飯とか食べないとな…昨日1日何も食べてないし。

　
「にしても、家に何もないしなぁ………」


　
外に行くか、でも今からシャワー浴びて、着替えて…って言うのもなぁ。
ウーバーで何か頼もうかなぁ……あと、誰か来てくれないかな…
といっても、私の家知ってる同業者はめいちゃんくらいしかいないけど。

　
ピーンポーン



「ん…誰だ？」

　

宅急便やネットショッピングも特にないはずなんだけど…
勧誘？それは多分入り口で止められる。
ちょっとだけ不安に思いながら、モニターを見ればそこに映っていたのは
何度も顔を見たことがある、同業者だった。


　
「…あ、れ？もしかして…センラ？」


　
そう、XYZでたまに一緒になるセンラらしき男性だった。
とりあえず出てみようかな…


　
「はーい。」

「あ、お忙しいところすみません。本日隣に引っ越してきました折原といいます。
　ご挨拶とお気持ちばかりですが、お菓子をお持ちしまして……」

「あ、ありがとうございます。今開けますね。」

　
……やけに丁寧すぎる言葉遣いが気になったが。
声的に間違いなくセンラだろうな…センラって折原って言うんだ。
とりあえず、出てみよ。

　
「驚くだろうなぁ…センラ。」

　
ついでだから、センラに夜ご飯どうにかしてもらおう。
そんなことを考えながら、私は玄関に向かった。

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