オトナリサン。 2nd (ページ7)

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【53】じゃなくて。ページ7

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「“瀬名さんとデートしたいです”･･････とは？」

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電灯の少ない夜道を歩きながら、さっきの山下くんの言葉を口に出してみる。

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この場合の“デート”は、“ご飯奢って欲しい”って意味で捉えるんだよね？

･･････うん。深い意味なんてこれっぽっちもない。

そう自己解決して、ハハッて笑う。

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「なーに、一人で笑ってんの(笑)」

「ギャッ！！」

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暗闇から突如話し掛けられて、大きく肩が飛び上がった。

でも聞き覚えのある声だったから、警戒心は生まれなかった。

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「ギャッ！！て(笑)」

「暗闇で後ろから話しかけられたら、そんな反応もしますよ！」

「だからって、ギャッ！！て(笑)」

「･･････ちょっと笑いすぎじゃないですか。」

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いつまで経っても含み笑いを止めない二宮和也を、ギロリと睨み付ける。

だけどそんな攻撃は効果ゼロで、二宮和也はスタスタと歩き始めた。

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「いや、でもさ。聞いて？」

「･･････何ですか。」

「暗闇で一人で笑ってる女の子いたらオカシイでしょ。話しかけた俺あっぱれだわ。」

「･･････、」

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小バカにしたような笑みに、沸々と怒りが湧く。

さっきまで少しでも二宮和也の心配をしてた自分がバッカみたい。

心配なんてしなくても、嫌味満載のオトナリサンは健在だ。

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「ねえ。そんなことよりさ、」

「はい？」

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･･････ちょっと待った。

人のことを散々バカにしといて、“そんなことより”ってか！

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「─────･･････デート、って何？」

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二宮和也は歩き進めてた足を急に止めて、少し後ろを歩いてた私に鋭い目を向けた。

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「デートって、そりゃあ男女が遊びに行ったりする事じゃないですか？」

「そうじゃなくて。」

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何故かイラついてるオトナリサンに、私もイライラしてくる。

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「お言葉ですけど、急にデートの意味聞かれても辞書みたいな答え出来ませんけど！？」

「･･････え、ちょっと待って？何でキレてんの？(笑)」

「はぁ？」

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さっきまでイラついてたオトナリサンは何故か私の解答に戸惑いながらも笑ってる。

イラついてたんじゃなくて、イラついてるように見えただけだったのか？

･･････あぁもう、訳が分からない。

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