オトナリサン。 2nd (ページ4)

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【50】演技派戦士の決め技。ページ4

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「どうぞ、こちらにお座りください。」

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ジャニーズ事務所関係者も何人かも含め、少人数での顔合わせが始まった。

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「担当の瀬名Aです。」

「同じく、佐藤桃子です。」

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モモちゃんと一緒に名刺を差し出す。

それを受け取った二宮和也が「宜しくお願いします」と頭を下げた。

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「早速始めさせてもらいます。まず、企画についての説明ですが───」

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一気に仕事モードに切り替えて、説明を始める。

所々で相手側の反応を伺うけど、悪い感じはしない。

･･････手応えはそこそこ、ってトコか。

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ただ一つ、気になることは。

目の前に座る二宮和也が企画書をパラパラと捲るだけで、全然読んでないということ。

それに加え、説明してる私をニコニコしながらガン見。

それが気になって仕方ないけど、今はひたすらシカトを続ける。

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「･･････うん。良いんじゃないですかね。」

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説明が一通り済んだ後、始めに声を発したのは二宮和也だった。

未だに企画書をパラパラと捲って、全く読んでいない。

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「事務所許可は既に出ていますし、本人もこう言ってるので･･････」

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二宮和也の横に座ったマネージャーさんが、私たちに笑いかけてくる。

･･････これで完全に、今回の企画は通った。

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「ありがとうございます。ではこのまま進めたいと思います。宜しくお願いします。」

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礼をしていた頭を上げたら、意味ありげに笑う二宮和也とまた視線が重なった。

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「では次からは早速、取材と撮影になります。」

「両方ここでやるんですか？」

「はい、その予定です。」

「取材は、えっと･･････瀬名さん？が担当ですか？」

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さっき渡した名刺を初めて見たかのような、ワザとらしい演技をする二宮和也。

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「ええ、そうです。次回から宜しくお願いします。」

「･･････こちらこそ。」

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そう言って二宮和也は、今まで見たことのないような営業スマイルをかましてきた。

･･････きっと私以外の人は、このスマイルで完璧堕ちただろう。

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