おとなりさんのまふまふさん。【歌 い 手】

おとなりさんその1 ページ3

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「あれ、隣の部屋今日引越やったん？」

「うん、怖くない人だといいんだけど……」

「そもそもAは家からほとんど出ないから会わんやろー？」

「まぁ、そうなんだけど……」

　
初めまして、白河Aです。
ブランという名前でボカロＰを、本名で音楽家をしています。
今日は、以前楽曲を提供してから仲良くなった、luz君が家に来ています。

　
「んでな、次のライブなんやけどな……」

「うん、XYZ？」

「そうそう。」

　
XYZというのは、luz君がオーガナイザーをしているライブのことです。
このライブの始まりから私も知っていて、ライブについての相談をよくのっています。

　
「やっぱりAに相談するとまとまるわー」

「ふふ、ならよかった。」

「でな、こんな曲作ってほしいんやけど…」

「ふぇ？それ私でいいの？」

　
XYZの楽曲は、ほとんどがまふまふさんが作っているイメージがあるので
私でいいのか心配なんだけど…luz君を見る限りいいみたいです。
そうなったら私も、しっかり聞いてイメージをまとめないといけなくなるので
ほんわかした空気から少しだけしっかりとした空気に変わっていきます。

　
「…ふぅ、こんな感じでえぇ？」

「おっけー、膨らませてみるね。」

「頼むわー…ちょっと休憩。」

「そうだね、ココアでも入れる？」

「飲むー」

　
頭を使った後は甘いものがいいよね…とキッチンでミルクを温めていると
ピーンポーンとインターホンが鳴りました。
…え？私に来客？宅急便も何も頼んでないのに？

　
「luz君ーちょっと出てー！」

「んー……あれ？？」

「あれ？？」

　
出ようと思ったluz君が驚いたような声を上げだした。
何で驚いているんだろ……

　
「はーい？」

「あ、ええと、ほ、本日隣に引っ越してきたあ、相川です！」

「……はーい、今行くのでお待ちくださーい」

　
…どうやら、お隣さんがご丁寧にごあいさつに来てくれたみたいです。
でも、今の声どこかで聞いたことがあるんだけど……

　
「Aー多分あれ、まふ君。」

「へ？まふ君？？って…まふまふさん！？」

「そー、ちょっと俺出てくるな。」

「う、うん。私もすぐに行くから！」

　
先に向かったluz君を見て、私も慌てて玄関に向かった。
玄関に向かうのとほぼ同時に、嬉しそうなluz君の声が聞こえてきた。
…ってことは、お隣さんがまふまふさん？

　
「…ちゃんと挨拶できるかなぁ。」

　
頑張れ、私。

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