2歳差Couple H.Tosaka (3) ページ31
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結果は、あたしのチームが負けた。
いつもなら引っ掛からないような甘いドリブルに、見事騙されたあたし。
勿論たまたま。
わざと負ける、なんてことは意地でもしないから。
試合自体にも負けて、先輩にも負けた。
なんか、、、なーんか悔しくて。
思わず視界が歪み始める。
男だらけの前で泣くなんて。
同情されたいただの女の子みたいじゃん。
『...くやしっ』
側にあったタオルを顔面に押しつけて、一人部室へと戻る。
部室の隅
いつものあたしの定位置で泣いてたら、上から優しい声が降ってきた。
「A」
『...うっ、、せんぱいっ』
「あらら?さっきの強がりAはどこ行った。涙まで流しちゃって」
『だってっ...』
「そんな俺の彼女になるの、嫌?」
少しだけ、悲しそうな顔をする先輩。
ないない。そんなわけない。絶っっ対ない!
『うっ、嬉しいんです。あたし、ずっと先輩のこと、、好きだったからっ。』
「じゃあ、試合に負けて悔しいんだ?」
『はいっ...』
そう呟いた途端
ゆっくりと、先輩に体を包まれた。
「そんなとこを俺、好きになったの」
『、、、そんな、とこ?』
「そ。
普通のそこら辺で俺のこと見てる女子だったら、絶対わざとこけてでも負けるじゃん。
でもさ、Aは一生懸命どころか負けて悔しい、って涙まで見せちゃってる始末じゃん」
『だ、だって、勝負は本気で挑むのがあたしのモットーですもん!』
「俺、一生懸命に全力で何かをやってる女の子って、どんなに可愛い子よりも魅力あると思うから」
『ぅっ...///』
「変に化粧して、変に性格偽ってる女とかムリ。てかAしかムリ」
あたしが大好きな人は、こんなにもあたしを見ててくれたんだって考えると
何だか照れるし恥ずかしい。
だけど誉められて悪い気なんてさ、しないよね。
「んで?
もちろん俺と付き合うっしょ?
てか、拒否権ないけど。負けたんだから。笑」
『うぅ...悔しいけど、、
好きだから反論出来ない、///』
世の中、可愛いだけが全てじゃないんだ。
あたしみたいに、女っ気なんて満更ない人間でも恋はするし、誰かを好きになる。
自分に正直に生きてきて、良かった。
「ほら、涙拭けよ。お前の顔台無しだぞ」
そう言って投げられたタオルは、
あたしの大好きな人の香りがした。
2つも歳が離れてたって、好きなんだからしょうがない。
全力で、恋しよう。
Fin.
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oton(プロフ) - atokさん» ありがとうございます!意外と難しいんですよね、、この方。笑 (2019年9月29日 17時) (レス) id: ab14c5787e (このIDを非表示/違反報告)
atok(プロフ) - 隆二のお話嬉しいです! (2019年9月27日 1時) (レス) id: b336124363 (このIDを非表示/違反報告)
oton(プロフ) - ゆみさん» そうですね、わざわざ文字に起こすということはしませんが、私が想像してるプロポーズもゆみさんと同じで、ものすっごく優しいです。隆二が特に。笑 (2019年9月25日 23時) (レス) id: ab14c5787e (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - この二人のプロポーズが知りたいです。すごく優しそう‥ (2019年9月23日 22時) (レス) id: 0f82e110f7 (このIDを非表示/違反報告)
oton(プロフ) - eee03さん» 私の語彙力が追いつくかどうかは何とも言えませんが、頑張ります!笑 (2018年6月8日 19時) (レス) id: 70f11ff9fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:oton | 作成日時:2017年1月3日 17時