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さん ページ3







「すきです!」




それは今から5年前
私は人生で初めての告白をした。

前に抱え込んだランドセルで赤く染った顔を
隠しチラリと初恋の人を見たのだ。



陽に輝く金色の髪は透明だと
錯覚してしまうほどの透明感を持ち
褐色の肌に埋め込まれた灰青色の宝石は
驚きの色を映していた。


それはそうだろう、相手は「ポアロ」と書かれた
エプロンをしホウキとチリトリを両手に持っている
喫茶店の“店員さん”なのだ。
私の初恋の人は“大人”で
小学四年生の“こども”の告白も嬉しそうに
有難うとやんわり断ってくれる優しい人だった。


まぁ、当時の私は付き合うなんて気持ち一切無くて
気持ちを伝える事が出来たことに
満足をしていたけど、今思い返せば子供だろうが
フルならフレよって感じだ。

そうそう、当時よく懐いてくれていた
少年探偵団と名乗っている子達の中のコナン君に
見られていて
「ぜっっったい安室の兄ちゃんよりいい人いるよ!」
って言われたの思い出した。
これはこれでひどいよね。



そんな感じで人生初めての告白をした後
私は少ないお小遣いを安室さんに会うために使った。
2週間に1回、安室さんが居るかどうかを
花壇の上からそっと見て訪れる事を
2ヶ月続けていた。


「前回書いた書道の作品に賞を貰えたんです」


「今度、職場体験があるんですけど安室さんが働いていて良かった事や嬉しかった事ありますか」


「明日の体育ほんとに嫌だ……」



ほんとにくだらない事しか話していなかったと思う。
少し前に告白した相手にする会話かと
聞きたくなるほどほんとに
日常的な会話だけだった。

あれから再び「好き」を伝えようとはしなかった。

心の中の「好き」が少しずつ変化していくのを
胸の奥で感じながら4回目のポアロ訪問を
終えたあとは足を運ばなくなったのだ。







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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 安室透   
作品ジャンル:アニメ
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恋花-renka-(プロフ) - 遊星さんお久しぶりです…!?安室くんが数倍ましでかっこよく見えました…!、 (2019年5月29日 22時) (レス) id: 6dd786bb90 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:遊星 | 作成日時:2019年5月14日 0時

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