ラブトリック【桃】 (ページ6)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:5,308 hit

添い寝ページ6

、

目が覚めると視界に自分が寝転がっている姿が見えた。

ぱちぱちと何度か瞬きをして天井が鏡になっているんだと理解した後、
状態を起こしてあたりを見渡すと大きなテレビと白いソファがあった。

自分が寝ていた大きなベッドのサイドに視線を向けると、
箱テッシュとそこに添えられた2つの小袋が目に入った。
それがこのホテルの場所を物語っている。

「ここってもしかしてラブホ…？」

お酒を飲んだ後の記憶がない。

自分が酔っている間に誰かと一線を超えてしまったのかと
血の気が引いていくのを感じる。

すると部屋のドアが開き、思わず体を両手で庇う。

腰にバスタオルを巻いてハンドタオルでがしがしと髪を拭きながら入ってきたのは、
先程の飲み会でさっくんと呼ばれていた男性だった。

「あ、起きたんだね」

程よくついた無駄のない筋肉と真っ白な肌、
逞しい男性の体が目に入ってあからさまに目を逸らしてしまう。

しかし当の本人は能天気に鼻歌なんてしながら、
ホテルの冷蔵庫から水を取り出してごくりごくりと喉を鳴らして飲む。

そっか、シャワー浴びていたみたいだからそれは喉が渇くよね。
…じゃなくて！

「なんで！あなたと、私が…なん、なんでっこんなところにっ！」

「まーまー落ち着いて！はい、Aちゃんもこれ飲みな〜」

そう言って渡してきたのは、彼がたった今飲んでいたペットボトルの水。

横でじっと顔をみられて
ここで「間接キスだから無理です！」と断るのもなんだか申し訳なくて、
恐る恐る口にする。

彼が口をつけた後に口にするって考えると恥ずかしくて堪らなくなって、
何も考えないように目をぎゅっと瞑ってごくりと飲む。

確かに寝起きだからか喉は渇いていて、冷たい水がとても美味しい。

、