ラブトリック【桃】 (ページ4)

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「な、なんでしょうか…？」

「君ってダンスサークルの子じゃないよね？誰かに招待されたの？」

その言葉にさらに緊張感が増す。

ちゃんとダンスサークルの子に招待されているから、別にやましい事なんてないのに、
彼の大きくてくりくりとした瞳がじっと私を見つめて心を射抜かれてしまいそうだ。

「あ、えっと…友達に招待されまして。本当はバトミントンサークルなんです。」

「そーなんだ、どう？楽しんでる？」

私に顔をぐっと近づけて上目遣いで聞いてくる彼に、
こんなに可愛い人だから女の子が声をかけてくるんだろうなぁと思い、
私にはどきどきして耐えられないので少し距離をとる。

「実は私…こういう場になれていなくて。」

「ありゃ、まぁ確かに。可愛くてほわほわしてるから、変な男に捕まらないか心配になっちゃうね」

　思わず首を傾げる。可愛い？誰が？

　…………私！？

「かっ可愛い！？私が！？」

驚きすぎて思わず声が裏返ってしまう。

それを聞いていた彼は、ぽかんとした後直ぐに声を出して大笑いした。

「あははっ、君以外に誰がいんだよ〜神原Aちゃん？」

「っ！どうして私の名前…」

「んー、まだ内緒」

　そう言ってまたスマホのゲームに視線を戻す彼の服の裾をくいっと引っ張っると、
「どうしたの？」とすごく優しい声をかけられた。

「私もあなたの名前知りたいです。」

　そう言った私に彼は目を細めて、そして微笑み私の唇にそっと触れながら言った。

「いいよ？君がこのカシオレ、飲み切れたらね？」

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