A! と驚く僕の夢7 (ページ40)

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優しさに触れて（誠也/、正門/）2 ページ40

(Aside)

『え！？何！？』

台車のガラガラいう音が大きくなる。

そのとき、横から誰か出てきた。

那波「ぶつかる！！」

『うわぁぁっっ』

必死に足でブレーキかけたけど
すぐには止まらへんくて、
バンッッッ！！
と誰かの足に台車がめちゃめちゃな勢いでぶつかった。

気づいたら、台車の前で
急に止まった勢いで前に飛んでった那波くんを
受け止めるみたいに尻餅着いて転んでたんは、

たいちぇだった。

大晴「痛ったぁ……！」
お腹の上に変な体勢で那波くんを乗せたまま、
左足首を押さえて顔をしかめてる。。。

那波「大晴くんっっ…！…大丈夫っ…！？」

起き上がろうとしたたいちぇが、
下に着いてた右手も「痛っっ」て引っ込めた。
大晴「アカンかも。。。那波は大丈夫なん？」

那波「俺は大丈夫…大晴くんにぶつかっただけやから…」

痛そうに顔をしかめたたいちぇが立ち上がらんと言う。
その声もしんどそう。
大晴「ホンマにアカンかもしれへん。
誰か呼んできて？」

那波「わ、わかった！」

那波くんがすぐ走ってった。

見たことない表情で足も手も痛そうにしてるたいちぇを
前にしておれは怖くて動かれへんかった。

誰か怪我するって言われてたけど
自分や那波くんのことやと思って、
自分らは大丈夫やと思ってた。
まさか、おれのせいで
たいちぇがこんな痛そうに怪我するなんて。。。

ホンマに痛そうに顔しかめて
おれのことも視界に入ってへんぐらいに
痛がってるたいちぇを見て、

怖なっておれの足が石みたいに固まって
動かれへん。
声も出えへんくて、立ち尽くした。

(小島side)

那波「こじまくんっまさやくんっっ」

血相変えた那波が楽屋に入ってきた。

小島「どしたん？」

那波「大晴くんにっ怪我させてもて…っっ！
台車であそんでたらぶつかって…っ…
大晴くん立てへんくてっ…誰か呼んできてって…っ」

半泣きの那波の話がようわからへんけど、
とりあえず大晴が怪我したことだけはわかった。

晶哉「どこなん？」

晶哉が落ち着いて那波の背中に手をあてて、
俺らを連れて行くように促した。

廊下に出たら、
言われんでもわかるぐらい、

台車の前で、転んだままの体勢で座り込んで
足も手も痛そうにしてる大晴が見えた。
その前で呆然と立ち尽くしてるAも。