優しさに触れて（誠也/、正門/） ページ39
(正門side)
今日は番組の収録で、
俺ら7人と那波も居る。
楽屋が年上組3人と年下組で分かれてたけど、
だいたい那波が居ると
いつも以上にAがはしゃぎ過ぎるから、
頻繁に様子見るようにしてた。
廊下に出ようとドアを開けてみたら
目の前を猛スピードで何かが通り過ぎた。
目で追ってよう見たらそれは、スタッフさんの使う台車で、
青い荷台の上に那波が座って乗って、
後ろからAが猛ダッシュで押して走ってた。
正門「Aっ！とまれ！」
反射的に大きな声で言う。
びっくりしてAが両足でブレーキかけて止まって、
那波は後ろ向いて、
Aが掴んでるとこの手すりに掴まってる。
2人に近づきながら話しかけた。
正門「危ないやろ、そんなスピード出して。
自分も怪我するし誰かにぶつかったらどうするん？」
台車で遊んでる人を見たことないわけやないけど、
廊下でこんなスピード出す奴はいない。
子どもやから加減を知らんねん。
Aはうるさいみたいな不満そうな顔を一瞬したけど
那波が「ごめんなさい…」
て素直に言うてからは、
『わかった…もうやめる』
て唇尖らせながら言う。
正門「A？」
かなり軽めにお尻をペンっと叩いた。
ビクッとお尻を両手で押さえて見上げるA。
正門「不満そうやな？」
『だって…あそびたいねんもん…』
正門「こんな危ないことせんでもええやろ。
誰か怪我してからでは遅いやろ」
『おん…ごめんなさい…』
那波「A、あっちで違うので遊ぼ」
『おん！』
那波に誘われて、
やっと機嫌直した。
(Aside)
正門くんにはああ言われたけど、
こんなおもろいもん見つけて放っとけるわけない！
『那波くんっ今、誰もおらんで！さっきのやつやろ！』
那波「さっきのって台車？」
『おん！そお』
那波「正門くんに怒られるんちゃう？」
『今なら誰もおらんから、やろうや〜1回だけ！』
那波「う〜ん…そうやなっ」
『さっきの続きで、おれが押す番なっ』
廊下の端っこに、
さっきの台車を持ってきて準備した。
那波くんが上に乗ったのを確認して、
『行くでー！』
おれは全力で走り出した。
那波「ちょっ……Aっ速すぎひんっ！？」
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作者名：めぐみ | 作成日時：2023年1月27日 12時
