A! と驚く僕の夢7 (ページ17)

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涙を拭っていこう（リチャ/、誠也/）ページ17

(Aside)

『那波くん、おれのアイス知らん…？』
昨日買ってきておいたチョコチップクッキーのアイスが、
冷凍庫を探してもない…。
学校から帰ったら、リハ行く前に食べんの
楽しみにしてたのに……。

那波「え…？……あ！！」

『なに？』

那波「ごめん！ほんまごめん！
俺が食べた……」

『え…？えぇぇぇぇぇぇ！？なんでなん！？
なんでぇっっ』
まさかの一言に泣きそうになった。

那波「ごめん！俺、一昨日同じアイス買ってきてて、
それをもう食べたん忘れてて、
まだ食べてへんかったと思って昨日の夜……」

『なんでなんっっ！？那波くんのあほぉっっ』
泣きそうになって叫んだ。

那波「せやからごめんって！
まちがえたんや、わざとやない！」

『わざとやなくてももうおれのアイスないやんかぁっ』

那波「今日帰りに買ったるから許して」

『かえりぃ！？今食べたいぃぃぃっっ』

那波「でももう行かなアカンやん」

『なんでそんなこと言うん！？
那波くんが食べたんやんかぁっっ』
おれは怒りが収まらない。

那波「そうやけどっ……せやから、ごめん言うとるやんっ」

『もうっっゆるさへんっっ』

那波「なんでそんなに怒るんっ？謝ってるやろ！」

『那波くんのあほぉっっきらいやぁぁっっ』

那波「そこまで言わんでええやろ！なんやねん、A！」

『なんで那波くんが怒んねんっっあほぉっっ』

那波「もうっ、ええわ、行くでっ」

『なにがええねんっっ』

おれはまだ怒ってるけど、
那波くんはおれの手を引いて寮を出た。

お互い、一言も喋らんと歩いた。

喧嘩してても、那波くんは手を繋いで連れてってくれる。
でも、今は許せへんっ！楽しみにしてたのに…！！

全然喋らんと、リハの会場に着いた。

『おはようございます…！』

小島「おはよ。A、何やめっちゃ機嫌悪いな」

『那波くんのアホがおれのアイス勝手に食べたから…』

那波「せやから謝ったやんっっ」

おれはそれを無視して顔を背けた。

小島「なんや、喧嘩しとるん？珍しい」

那波「Aが勝手に怒ってるだけやっ」

『！！何なんその言い方っっ』
俺が那波くんの肩を押したら、
正門くんがおれと那波くんの間に入ってきた。

正門「何を喧嘩してるん？」

『だって…！那波くんが…！』

正門「みんな時間ないねんで。喧嘩してる暇ない。
リハに集中しなさい」

『…。。。』