A! と驚く僕の夢7 (ページ12)

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甘えさせたいとき（誠也/）7 ページ12

(Aside)

けんちゃんもたいちぇもこれから仕事やって。

ひとりで帰らな。

稽古中は集中してたから気にならへんかったけど、

今は足元がふらふらする。

誠也「空野」

誠也くんに呼び止められて振り返ったら、
「送ってくで」
て背中向けられて、気づいたら誠也くんに
おんぶされてた。

『…大丈夫、歩ける…』

誠也「遠慮せんでええ」
背中をとおして誠也くんの声が体に心地よく響いた。
誠也「こういうときこそ甘えろ。」

『おん…』
なんや頭も痛くなってきたし、眠い……。

誠也「空野の荷物は？」

晶哉「今日はこれだけですー」

誠也「それなら持てそうや」

眠くてボーッとなりながら声だけ聞いてた。
誠也くんの背中はあったかくてホッとする。

それで寝てしまったみたいで、
気づいたらもう、寮の座椅子に下ろされてた。
『ん〜…』

誠也「今、布団敷いたるから」

『んー……』

(誠也side)

空野、やっぱ熱出した。

そろそろ限界やと思ってた。

看病とか慣れてへんけど、
大晴も小島も仕事やっていうから
寮まで俺が来てしまった。
ひとりで帰す気にはなれなくて。

布団敷いて寝かしたら、
ほっぺが赤いAが、
俺の服の裾を引っ張った。
『せーやくん…？』

誠也「何？」

『アイスたべたい』

誠也「そう言うと思って帰りに買うてきたで」

『やったー！せーやくんだいすきー』

誠也「元気そうやな」
熱はあるけど見た目は元気そうなAを見て
少し安心する。

『アイスたべよー♪』
言うて冷凍庫から出してきて、
普通に、俺の前に抱っこされるように座った。
その小さな背中が熱い。

誠也「食べたら少し休んで、元気なるとええな」

『大丈夫、アイスたべたら治る』

ニコニコして調子ええこと言う。
仕事のときは甘い顔できんときが多いけど、

普段やったら
幼いAを甘々に甘えさせてやりたいときも、ある。