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なんやかんやもってかれて(リチャ/空野)3 ページ43

(誠也side)

イライラしそうなとこ
自分でもびっくりするぐらい落ち着いて、
空野の小っちゃい背中を、
ぽん、ぽん、…と優しく撫でた。

『…っせーやくんっ…っぎゅーしてええ…っ?…
まだぎゅーしてええ…っ?』
ここまで突撃しときながら今さら
気ぃ遣たんか、泣きじゃくりながら
涙を目に溢れさして確認してくる。

その顔で聞かれて“今は無理”とか
さすがに言えるわけないやろ、アホか。

誠也「ええよ」

また言うんとほぼ同時に、
『うわぁぁぁんっ』と肩んとこに伏せて
ぎゅーっとしがみついてきた。



“今忙しい”とか“それどころちゃう”とか
そういう気持ちちゃうくて、
意外にも、空野から全力で求められてることで
少し落ち着いてなぜか安心しとる自分も居て、
不思議な感覚になる。




誠也「我慢してたん?」
空野の小さな体を
抱きしめて背中をぽんぽんしながら声を掛ける。

『…がまんっ…っできひんかったぁぁ…っっ…じゃましてごめんなさいぃぃ…っっ…』

誠也「別に、邪魔とかちゃうけど。」

ひぃひぃ息が苦しそうにしゃくり上げるぐらい
泣いとる。そんな泣かんでも。

誠也「「寂しい」ぐらい言うてええから。そんな泣くまで我慢せんでも。話ぐらい聞くわ」
さっきまでそんな余裕、俺に微塵もなかったことなんか
棚に上げて口から言葉が出てくる。
でも今の俺の気持ちとしては嘘ちゃう。

『…っせーやくんも言うて…っ?』

誠也「え?」

泣き顔のまんま顔上げた空野が
潤んだ目で、でもちゃんと意思を持って見つめてくる。

『…っ…っおれは…っダンスもできんこと…っいっぱい…っあるしっ…っがまんできんでっ…っせーやくんにぎゅーしにきたっ…けどっ…っ………っ……っおれもメンバーやんかぁっ…っ…っ…せーやくんもっ…っ…っひとりで…っ泣くまでやらんとっ…言うて…っ?』
 
さっき涙拭いたん見られてたんか、やっぱ。
恥ず。しかも空野に。

誠也「わかったわ」
見つめられるんが恥ずかしなって、
空野の頭の後ろに手を当てて
引き寄せるように抱きしめた。

肩に伏せた空野がもごもご喋る。
『せーやくんなんで泣いたんっ?どっか痛いん…っ?
それとも…っ…おれがダンスできんからっ…っ
せーやくんがっ…っだれかに怒られたんっ…?』

的外れな心配をこもった声でしてくるんを聞いて
笑けてしまった。

誠也「ちゃうって」

なんやかんやもってかれて(リチャ/空野)4※→←なんやかんやもってかれて(リチャ/空野)2



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めぐみ(プロフ) - Xフォロリクしてくださる方、ありがとうございます、公式垢フォローしていない鍵垢からフォロリクお願い致しますm(_ _)m (1月18日 16時) (レス) id: 7e6c597a49 (このIDを非表示/違反報告)
めぐみ(プロフ) - ぬまさん» はじめまして。コメントありがとうございます。6人のままだった過去の空野くんのお話も書ける元気が出たら書きたいです。Xのアカウントありますよ。シリーズ15の「リクエストについて」にXのDMのリンク貼ってあります。 (1月4日 16時) (レス) id: 7e6c597a49 (このIDを非表示/違反報告)
ぬま - めぐみさんはじめまして。めぐみさんのお話すごく大好きです。これからもお話書かれますか?できればまだ6人のままのお話書いていただきたいです。あと、Xとかインスタのアカウントなどありますか?またお話読めるの楽しみにしています。 (1月4日 1時) (レス) @page49 id: 55091354e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めぐみ | 作成日時:2023年11月25日 22時

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