A! と驚く僕の夢19

一発で聞かない子（正門/空野）5 ページ5

(正門side)

小島「那波、何してん」
後ろで笑って言う声が聞こえた。



そーっとこっちをうかがっとる那波がおった。

那波「見つけにいく前にAの泣き声聞こえたから…」


俺は促すようにAの背中をとんとん、
とたたいたけど、Aは余計ギューっと
抱きついてくる。
お腹のとこに顔押し付けてきて。
もうAの涙でTシャツ冷たなってるぐらいや。


俺の後ろからひょこっと顔を出した那波は、
ちら、と俺の顔を見上げてから、
ニヤッとした。

那波「やっぱ泣いとる」


『まだギューするん…！』


正門「ええけど」


小島「お前らかくれんぼしてる場合やったん？
リチャくんから振り教えてもらう言うてへんかった？」

那波「あ…！」

『あっ…！』
急にAも顔上げた。

小島「まだ間に合うんちゃう？」

『行こ！行こ！』
焦ったAが急に切り替えて、
那波の手をとった。

那波「せやなっ」

2人が走ってくんを、

正門「廊下走ったアカンでー」

言うて見送った。







小島「まっさんに言うてもらっても
聞かへんのAぐらいや」
隣で小島がボヤいとる。

正門「まあAやからしゃぁない」

小島「見とかなアカンねんなぁ。
ボイビとかやったら一発で聞くのに」

正門「Aはちゃうから」

小島「Aやからな〜」








『けんちゃんっ、リチャくんどこー！？』

遠くから大声で呼ぶ声に、

「知らん、なんで俺！？」
言う小島の声が聞こえた。

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