A! と驚く僕の夢19

いっしょに寝えへん！（大晴/空野） ページ31

(空野くん小2、那波くん小4設定)

(那波side)

那波「いい加減、機嫌直してや」
寮でAがずっと拗ねてる。

『そういうんちゃうもんっ、那波くんがわるいっ』

A、ほんっまに頑固。
もうどないせえっちゅうねん。

那波「ごめんって、また買うてくるから」

『ちゃうもんっ、今ちゃうかった意味ないもんっ！
チョコ買ってきてくれる言うからるすばんしてたのにっっ』

那波「やから、ごめん、て」

なんでAがこんな怒ってるかって、
さっき、寮の門限直前に
おれがコンビニ行く言うたとき
最初、Aも一緒行く言うてんけど、

A小っちゃいし
なんぼ足速い言うてもおれよりは足遅いし、
それにAを道路で急がすと危ないし、
おれは、買い忘れてた乳酸菌ドリンク買いに
コンビニに急いで行きたかったから、Aに
“チョコ買うてきたるからまってて”
言うておれだけ走っていってきた。



でもおれも門限迫っててあわてとって、
門限すぎておしりぺんぺんされるんはイヤやったし、
急いで自分のほしいもん買うたら
Aのチョコ買い忘れた。



それで、帰ってきてから、
Aはもう今にも泣きそうな顔で
ずっと怒ってる。

そんな怒らんでも、
べつに、ほかのチョコ、まだ部屋にあるし。

那波「これやったアカンの？」

おれのおかしストックの中から出して見せたら、

Aはさっきよりも、目いっぱいに涙をためた。

アカン、泣かれる、これは。失敗や。

『それちゃうのぉ…っっ！』

……泣いた。
両手を体の横におろしてぐっと握って泣いとる。
どないしよ。

那波「ごめん、つぎまた買うから」

『もうっ、いややぁっっ！つぎやったアカンのぉっっ』

那波「もう、A、いい加減にしいや。
もう門限すぎて買い行けへんねんから、
我慢してや。「ごめん」言うてるやん、
いつまで怒るん」

『っっ〜〜！！』

あ、あかん。もっと泣いた。

『もういやや！もうきょうは那波くんと寝えへんっっ！』
それだけ叫んだら、
Aはリュックに、それ、何入れとるか
ちゃんと見えて入れてるん？いうぐらい
高速で両手でぎゅうぎゅう荷物つめこんで
チャックを閉めて背中にしょった。

そのままドアんとこ行くから、
「ちょっ…どこ行くんっ？」
てさすがに、とめようとして声かけた。

泣きべそのAは、振り返って
『きょうは那波くんと寝えへんのぉっ！
おれおこったん！！
けんちゃんとこいくぅぅっっ』
って叫んでバタバタ走って出てってもうた。

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