A! と驚く僕の夢19

体調を崩したら（大吾/那波）6 ページ22

(那波side)

丈「そうなん？ほんまに？」

大橋「まあ、元気なんやったええけど」

みたいに、短いリハの間でしか
喋られへんから短い反応やったけど、
びっくりしながらもみんな聞いてくれて。

それもめちゃめちゃ心痛くて。
なんか、なんで嘘ついたんやろ…
熱あるなんか言わんかったよかった……。


おれがリハ来たことに
一番ビックリしてたAには、
嘘やったってハッキリ言えんかった。
なんや上手く言えんけど、
Aには言えんかった。

『那波くん！？だいじょぶなんっ？
寝てへんくてだいじょぶなんっ？』
て目を丸くしてるAに、

おれは「だいじょぶ」しか言えんくて。

リハ忙しいからそんな雑談しまくる時間はないから
それで済んでた。



でも、自分が悪いねんけど
なんやモヤモヤして。






リハ終わってすぐんとき。

大吾くんが「那波、ちょっときい」
って呼んだから、おれは後ろを付いてった。

リハ室出て、
あいてる部屋入って。


大吾「那波。熱出た言うて嘘ついたんも、
リハ遅れて来たんも、悪いことした
思ってるやろ」

そう言われて、頷いた。
「はい…」
もうずっと、モヤモヤしてて。

大吾「まあ、ホンマに悪いことやから。
仮病つかってリハサボるんは。」

那波「はい…！」
え、なんや…これは…
たいへんなことに…なる気がする…！

大吾「ちゃんと皆に謝ったん？
那波だけの問題ちゃうで。」

那波「ま、まだ、あやまって…ない…です…」
同じグループのお兄ちゃんたちには
短い時間で謝ったけど、
他のみんなには何も言うてへん。

大吾「Aんことうらやましい思ったんも
寂しい思ったんも悪ないけど、
仮病つかってリハ遅れたんは、悪いことやで。」

那波「あ…あ…はい……」

大吾「お仕置きやな。お尻出し」

那波「っっ」
やっぱり…！
おしりぺんぺん…！！

怒られへんわけないもんっ、
リハ遅れて来て。しかも嘘の熱で。
大吾くんも遅れさしてもうたし。


(大吾side)

Aが羨ましいいう理由で
寂しくて「熱出た」なんか言うてみてた那波を
ホンマはあんまり叱りたなかった。
全然、リハとかなかったら、
寂しかったんやな、よしよし、って
1日中かまいたかったし。

思いつくこと年齢相応やし、
那波の性格上、熱ないときに
「おれも寂しいから誰か来て」なんか、
なかなか言えへんかったんもわかるし。

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