A! と驚く僕の夢19

いつもどおりが落ち着く（誠也/空野）7※ ページ12

(誠也side)

誠也「でも止まられへんぐらいの勢いで
走っとったんやから、
ぶつかっとったかもしれへんやんな？」

『…おん…っ…』

誠也「誰か怪我させんでも、Aも、自分が怪我してライブ出られへんようなった嫌やろ」

『いややぁ…っ…！』

誠也「さっきのケータリングひっくり返したんも、ヤケドとかしとったら大変やったで」

『…お…おん…っ…』

誠也「「ここで跳んだアカン」言うたのに聞かへんかったんやんな？」

『それは…っ…そうやけどぉ…っ』

誠也「「少し落ち着き」いうんが無理やったら、せめていつもと同じ約束守り？廊下走ったアカン、大人の言う事聞く。」

『…はい…っ…』

誠也「それぐらいやってくれんと困るで。」

『〜っ…っ…はい…っ』

コイツも今日まで必死に努力してきたん知っとる。
子どもやから、
緊張を隠すようにはしゃぐんもわかるけど。
でもそんなんで、コイツの努力を全部台無しには
したない。

下向いて大人しなったAには、
簡単な言い方でやっと伝わったんかも。



(Aside)

みんなから「落ち着き」言われて、
落ち着いてるもんて思ってたけど、

跳んだアカン言われても聞かんくて
ケータリングひっくり返したし、
打ち合わせ始まる言われてんのに
階段とこ行ってもーたし、
廊下走ったアカンのに走ったし、
走って入ってきてホワイトボードにぶつかったし…。

ちゃんといつもどおりにせなアカンかった……。


誠也「A、わかったか？」

『…わ、わかったぁ…』

誠也「それやったもっぺんお尻出し」

『え…！』
急にくるんっと体勢を変えられて、

膝の上にうつ伏せに逆戻り。
『イヤっ…いややっ…！もうわかったからぁぁっ
せーやくんっ…おしりぺんぺんイヤやぁ…っ！』
慌ててズボンを下げられへんように両手で
押さえた。せーやくんにぺんぺんされるんは
ホンマに痛いからイヤ…！！！！！

誠也「みんなに言われても聞かんかったんやから、
お尻ぺんぺんや。お尻出し。」

『いややってぇぇっ』
絶対下げられへんようにズボンを押さえてたら、

ズボンの上から、
お尻の下のほうを覆うように、

パンッッッッ！！！

とお尻を叩かれた。
『っいたいぃぃぃっっ！！！』
さっき叩かれたとこやし、
ほんっまに痛い…！！ズボンの上からやのに…！

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