A! と驚く僕の夢19

一発で聞かない子（正門/空野） ページ1

(空野くん小2設定)

(小島side)

小島「Aっ」

俺は、ステージ裏でAの
細い腕を掴んでとめた。

『なに？けんちゃん』
きょとん、として、
めっちゃ低い位置から見上げてくるA。



いや、何のこと？みたいな顔してんちゃうぞ。
言うん何度目やねん。



小島「そっち行ったアカンて。危ないやろ」

『おん、わかったぁ』
ニコニコしてそう返事はするけど、

きっとまたすぐやる。


俺が言うても聞かへんときもあんねんなぁ、
Aは。


そっちは、舞台下で舞台装置が動くとこで、
関係ないときにうっかりひとりで入ったりすると
最悪挟まれるとかの事故もあり得る。
A小さいし
スタッフさんから見えんくて
気づかれへん可能性だってあるし。



『那波くん！あんなぁっ、あれなぁっ、』
って今度は那波を見つけて
一応は違うほうに走ってったAを見て、


少しため息ついて楽屋に戻った。










(正門side)

小島「まっさん」

正門「ん？」

急に斜め向かいに座ってきた小島が、
軽い口調で言うてくる。

小島「Aが、何回言うても舞台装置んとこ行って危ないねんけど。俺が言うても聞かへんねん。」

正門「あ〜、わかったわ」
立ち上がろうとした俺に、小島がびっくりしてる。

小島「早っ。まだ何も頼んでへんけど」

正門「小島が言うても聞かへんから
俺から言うてくれいう話やろ？」

小島「俺の頭ん中見えるん？」

正門「まあな」

何回言うても聞かへんねやったら
いっぺん自分でAのこと叱っとき思うとこやけど、
小島はAのこころの避難所みたいなもんやから
そこは残しといてもええ。

舐められてるとかいうんとは、ちゃうからな。



正門「危ないからすぐ見てくるわ」

小島「もう行っとるかもしれん」
苦笑いの小島。

Aやって小島の言うこといつも聞かん
いうわけちゃうけど、
小島に言われたとき危機感共有できてへんいうか、
いまいち抜けることもある。

















廊下で、那波とAがなんか踊って
めっちゃ楽しそうにしてるんを
見つけた。

よかった、まだ行ったアカンとこ行く前やった。

正門「A」

『はーい！あ、正門くん、あんなっ、見てっ、
これな、こっちとなっ、こっち、どっちがええ？』
踊って見せてきて、
ニコニコしとる。

正門「…ようわからん。最初の方！」

『わかったぁ』

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