A! と驚く僕の夢17 (ページ9)

今日:20 hit、昨日:4 hit、合計:20,355 hit

花火があったら（正門/、誠也/、丈/、（大吾/那波））18 ページ9

(誠也side)

誠也「そんな泣かんでも」

『うわぁぁぁぁんっっ…でも…っ…っでもっ……』

誠也「わかった、わかったから。泣いてええから」

泣くんを無理やり我慢しようとするAの顔が
幼すぎて、小っちゃい背中を抱き寄せて
受け止めるように泣かしとく。

ふと周りを見たら、
那波も大吾にギャン泣きさせられたあとで、
丈にも大吾にも抱きしめられてびーびー泣きながら
慰められとる。

俺の膝の上のAは、
やっと泣きじゃくるんがおさまってきて、
『……おしりまだびりびりするぅぅ…』
言うてめそめそしとる。

そこに正門が「せーやくん、
オープニングの立ち位置、変更あって、
0番が、」
って普通に話してくるけど、
とりあえずそれ聞きながら俺はAの背中を
優しくとんとんしとる。
何なんこの状況。

正門は、Aに目線あわせるように
片膝着いて姿勢低くした。
正門「Aも聞いとる？」

『……きいとる……』
やっと顔上げたAは
泣きすぎて目ぇ真っ赤。
ほっぺも赤くて、涙の跡ついとって、
どう見ても子どもの幼い顔しとる。

正門「晶哉の隣やったけど、
小島の隣な、立ち位置。」

『…わかったぁ…っ…』

正門「その泣き顔、何とかしい」
正門に笑われて、

Aが正門のシャツの裾を摑んで
引っ張った。

正門「ん？」

消え入りそうな声で下向いて言う。
『……まさかどくん……ごめんなさい……』

正門「ええよ、ごめんなさいはさっき
泣き叫んどるん聞こえてた」
平然と言われて、
顔真っ赤にするA。
『っ！』

そこで急に『あっっ！！』
てAが声上げた。

正門「なに？」

誠也「どしたん？」

『…はなび……那波くんとやってへん……』

誠也「は？」

正門「え？何？」

誠也「花火しとったんちゃうん？」

泣き止んどったのに、めちゃめちゃ泣きそうに
また涙溜めて下向いたA。

『…さっきな、…はなび…つけようとしたら
おれが火おとしてん…それで…やらんうちに
ぜんぶ燃えてん……せやからやってへん〜…！』
めちゃめちゃ泣きそうやん。
哀しそうな顔して。

誠也「ああ…それは残念やったな」

正門「怒られただけやったな。楽しいことできんかってんな」

『…那波くんとはなびぃぃ……』
うるうるして、また泣き出しそうや。

そこに小島が
「休憩んときやったらええやん、中庭で」
言うて近づいてきた。