“おしりぺんぺん”か…？（正門/空野）5 ページ44
(猪狩side)
「うわっ、待って待って！」
「Aっ…」
作間と俺が止めようとしたけど遠すぎて
間に合わなくて、
窓際寄りにいた優斗がかろうじて振り向いて、
優斗「えっ！？ちょっっ…」
ってびっくりしながらボールをキャッチしようとして
上に右手を伸ばしたけど、
あまりに乱投で、
優斗の頭の斜め右上を
スポーンっと抜けてって、
後ろの窓ガラスに当たった。
ガシャンッてガラスにひびが入って、
優斗がめちゃめちゃ動揺してる。
優斗「うわっ、ごめんなさいっ、
俺が取り損ねたから…
ごめんなさい！ごめんなさい！」
近くにいたスタッフさんたちに平謝り。
それに気づいた正門が飛んできて、
「ほんますんませんでしたっ！
Aですよね？
ごめんなさい、ガラス割って、
うちのAがホンマすんませんっ」
って優斗の隣に並んで頭下げてる。
Aはびっくりして
呆然と立ってるだけだし。
まあ、そうなるよな。まだ小学生だし。
正門「こら、Aっ、
ちゃんと謝り」
正門が、いつもの雰囲気と違って
厳しく言ってAのとこに来て、
Aの腕を引っ張って、
スタッフさんの前に連れてって
Aの肩口を後ろから強めに押して
頭下げさせて謝らせてる。
『ごっ、ごめんなさいっ…』
とりあえず、窓ガラスは万が一のために
替えがあったっぽくて、
付け替えれるって言ってたけど、
直す間、撮影は中断することになって、
スタッフさんたちが散り散りになったあと。
正門がしゃがんでAの目線に合わせて
恐い顔してる。
正門「A、セットの中でやったアカン言うたやんな」
『で、でもっ、、、』
正門「「でも」何？」
『でもぉ…っ…』
優斗「ごめんごめん、正門、
俺が反応遅れたから」
正門「いや、絶対無理やろいきなり投げられたら。優斗でも。怪我してへん？」
やっと柔らかい表情のいつもの正門に戻った。
優斗「俺は全っ然大丈夫。
A、ごめんな、あっちでやろうな」
『あ…』
おろおろしてるAが何か言いかけたけど、
正門が「最初から「あっちでやり」言うたやんな？A」ってAに対してはまた厳しい顔。
優斗「怒ってんじゃん、正門」
優斗の雰囲気は緩いし、
それに合わせて優斗に「まあ、怒るときもあるわ」
って言うときは、正門もほわっとしてるけど、
Aの慌て具合は違う。
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作者名：めぐみ | 作成日時：2023年9月16日 23時
