“おしりぺんぺん”か…？（正門/空野）2 ページ41
(Aside)
瑞稀「何？電話の向こう、こじけんなの？」
『はい…っ…』
瑞稀「ちょっと代わって」
瑞稀くんに、駅の通路の端に連れて行かれて、
スマホを渡した。
瑞稀「もしもしこじけん？…そう、Aが「迷子になった」って泣いてんだけど。……うん、……うん、そう。え？こじけんと仕事とかじゃないの！？
あー、わかった。……はいはいはい。……そこ、行く途中通れるから、俺送ってくわ、Aのこと。
大丈夫大丈夫。…はーい、また連絡しまーす」
電話が終わって、瑞稀くんからスマホを返された。
『けんちゃん何て？』
瑞稀「「大阪居るのに東京駅のこと今俺に聞かれても全っ然わからん」って言ってた」
瑞稀くんが笑ってる。
「ってか、こじけんと仕事じゃないのにこじけんに電話かけたんだ？」
『だって…っ…まいごなってどないしよおもって…っ』
瑞稀「俺、連れてくよ。一緒に電車乗ろ？」
『あ、ありがとうございます！』
よかったぁ、瑞稀くんが一緒行ってくれるなら迷子脱出。
瑞稀「とりあえず、涙拭いて？」
困り笑いで言われる。
「ってか、ハンカチとか持ってる？」
『えーと…えーと…』
リュックの中を探してたら、
瑞稀「じゃあ、これ、貸しとく」
青のストライプのハンカチを渡されて、
慌てて涙を拭いた。
俯き加減で早足で歩く瑞稀くんに遅れないように、
小走りで付いて行く。
電車乗ったら、
小っちゃい声で瑞稀くんと話した。
瑞稀「A、何年生だっけ？」
『4年生です』
瑞稀「それは迷子になるわ、
慣れないとこだったら。」
『ごめんなさい…東京は何回も来ててんけど、
今日はわからんようなって…』
瑞稀「大丈夫大丈夫」
『つれてってくれてありがとうございます』
瑞稀「しっかりしてる〜。
4年生の頃の俺とかはしもっちゃんに見せたい。
でも、迷子になったとき電話した先は、大阪のこじけんだったんだ？」
そこ、何回も笑われる。
確かに、けんちゃんは大阪に居るのに
東京駅で迷子ってけんちゃんに言うても、
何もならんかったけど…！
『け、けんちゃんリーダーやしっ、
たすけてくれる思ってっ、』
ムキになって喋ったら、
瑞稀「リーダーだからって、何でもできるアベンジャーズみたいなのじゃないから」
って余計に笑われる。
む〜…！
瑞稀「ほっぺ膨らんでる。拗ねてんじゃん。」
『…すねてないですっ…』
瑞稀「少し子どもっぽいとこあって安心した」
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作者名：めぐみ | 作成日時：2023年9月16日 23時
