“おしりぺんぺん”か…？（正門/空野） ページ40
(空野くん小4)
(Aside)
今日は、ひとりで東京行って、
正門くんと現場で合流してドラマのお仕事。
……の予定なんやけど、
さっき東京駅に新幹線でひとりで着いて、
電車に乗り換えよう思ったら、
駅ん中で迷子…なった……。
東京駅広すぎんねんもん！
人多いし…。
早めに大阪出たからまだ時間は大丈夫やけど、
10分ぐらい、もう、東京駅の中を
彷徨ってる気がする。。。
おれはどこでまちがえたんやろ？
なんやお店たくさんある……
電車は？？
看板見えるけど看板のとおり行ったつもりが
なんやたどり着かへん。
ほんまに、泣きそう……。
スマホを取り出して、電話した。
小島「もしもし」
『けんちゃん？』
小島「ん？どないしたん？」
『…まいごなったぁ…っ』
小島「え？何？」
『東京駅で、迷子なったぁ…っ…』
小島「A、泣きそうやん」
『やって…っ…どこ…？
けんちゃん、ここどこぉ…？』
小島「えー？知らんて。看板とかないん？」
『…とんかつやさん、ケーキ屋さん、
新幹線…』
小島「…全っっ然わからんっ」
『けんちゃぁんったすけてやぁっ』
小島「なんで俺やねん」
電話の向こうのけんちゃんの笑い声で
ほんの少し安心する。でもまだ迷子は
変わらへん。
『だって…っ…』
小島「駅員さんに聞き？」
『…えきいんさん…どこ…？』
小島「もうそのレベルなん？改札んとこ居るやろ」
『かいさつ…どこ…？うぅぅ…っ…』
小島「泣いた？」
『…うっ…っ…うっ…』
小島「ちょっ…A、ホンマに泣いとるんっ？泣くなや、俺が悪かったわ、助けたるからっ」
『…うっ…っ…けんちゃ…っごめっ…』
小島「もう、泣くなや〜。ホンマの迷子やん」
『だってぇぇ…っ…』
そのとき、おろおろして向きを変えたら、
向こうから歩いてきた人のお腹にぶつかった。
『うわぁっ』 「すいませんっっ」
小島「どないしたんっ？」
「あれ？Aじゃん」
『みずっくんっ…っ…』
小島「え？何？」
瑞稀「どうしたの？泣いてんの？」
『まいご…っ…なりましたぁっ…』
瑞稀「迷子？」
背の高い瑞稀くんを見上げて、
知ってる人が目の前に現れて
ホッとして涙が溢れてくる。
瑞稀「ちょっ…泣かないでっ大丈夫だからっ、
俺が泣かしてるみたいに見えるって」
『…はい…っ…』
そこで思い出して、電話の向こうのけんちゃんに話す。
『みずきくんにぶつかったぁ、けんちゃん…っ』
小島「え？何？瑞稀？？」
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作者名：めぐみ | 作成日時：2023年9月16日 23時
