A! と驚く僕の夢17 (ページ38)

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小っちゃいから…（晶哉/空野）15 ページ38

(Aside)

相手の子を見たら、ぶつかった反動で
壁の何かに腕ぶつけたみたいで
ちょっとだけ血ぃ出てる。

晶哉「大丈夫か？」
お兄ちゃんが相手の子に近くで声かけたんが見えた。

近くのスタッフさんを呼び止めて
「走ってきてぶつかりました」て
状況を説明してあげてるんも見える。

それを見て、おれは下を向いた。
そらそうや、おれより学年小っちゃい子
少しだけ血ぃ出てケガしてるんやから、
そっち助けるん、当たり前や。でもなんか寂しい…！
でも、そう思ってたら、

急に背中に大きい手が当てられて、

晶哉「A、大丈夫か？
痛かったやんな」

てすぐ近くで言われて、
顔上げたら心配そうにしてるお兄ちゃんの顔が
すぐ目の前に見えて、
涙が目に溢れてきて慌てて堪えようとした。

晶哉「え？泣きそうやん。
ほんまに大丈夫？どっか痛い？」

小島「怪我してへんやんな？」

『大丈夫……』
泣きそうな声になる。
だって、そんなすぐおれんとこ来てくれると
思わんかったから。。。
おれは今の今まで勝手に拗ねてたけど、
相手の子は知らんスタッフさんが対応してて、
お兄ちゃんとけんちゃんこっち居って。。。

晶哉「でも泣きそうやん」

小島「A、いつも怪我しても泣かへんやん。泣くんやったらよっぽど痛いんやろ」

晶哉「ここ赤なってる。ここぶつかったん？」

小島「おでこやん。頭は心配やな」

お兄ちゃんがおれの額に手ぇ当てて、
2人とも心配そうに覗き込んでくる。
いや、そこは痛かったっちゃ痛かったけど、
別にそんな痛ない。

『…だいじょーぶ…そこそんな痛ない…』

晶哉「ホンマに？じゃあどこ？
…あ、お尻打ったやんな、転んだとき。
痛かったんやろ」

『…痛かったけど…だいじょーぶ…』

小島「我慢せんでええ。言い？どこ痛い？」

『痛いんちゃう、だいじょーぶ…』
なんや安心して、泣きそうになって、
恥ずいから立ち上がろうとしたら、
ふたりに体を支えられた。

相手の子が
「廊下走ったらアカンよ、危ないで。
A痛くしてんで？」って
お兄ちゃんから軽く叱られて
おれに謝ってきたから、

『大丈夫、ごめん…おれも下見て歩いてたから…』
ってお互い謝った。

その子が行ってしまってから、

小島「ほんまに大丈夫か？」

晶哉「ふらふらしたりせえへん？」

ってまだ心配してる、お兄ちゃんたち。

『だいじょーぶ……っ…
なんやあんしん…してん…』
泣きそうになりながらふたりの顔を見上げた。