小っちゃいから…（晶哉/空野）11 ページ34
(小島side)
『…ごめんなさい…っ…もう勝手にちがうとこ行かへん…』
小島「別に他の子と仲良くしたアカン言うてるんとちゃうで？仲良くなったんやったらそれはええことやし」
晶哉「でもリハんときはちゃんと俺らの言うことも聞いてや」
大晴「仲良い子できたんやったよかったやん」
『おん……っ…えへへ、さっき連絡先も交換してん』
急に機嫌直して涙顔のままニコニコしてるとこ見ると、
子どもやな、と思う。
晶哉「めっちゃ進歩してる」
大晴「人見知りのAが」
大袈裟に褒められて、得意げな顔でニッコニコ。
基本的にいつも俺らにべったりやったAが
他の年近い子と仲良くしてるんは、成長やし
俺らも嬉しいし。
そうやって、泣き顔やったAのメンタルを
フォローし終えてから、部屋を出た。
(Aside)
リハの合間の休憩のとき、
おれは見た。
冷蔵庫から、高いとこにある500mlのジュースを、
お兄ちゃんが他のおれより小っちゃい子に
取ってあげてるんを。
晶哉「あ、届かへん？」
って普通に、その子を抱っこして
高いとこのを取らしてたってたけど、
それだけやなくて、「可愛いな〜
9歳？めっちゃ可愛い〜」って
いい子いい子しまくってて、
おれはおもんない。
『それ、おれも飲みたかったやつ！！』
思わず飛び出してって、
その子が持ってたやつ指さして
お兄ちゃんを見上げた。
だって…おれの…
晶哉「そうなん？」
その子が「あ…どうぞ…」
っておれにペットボトルを渡そうとしてきたら、
晶哉「ええよええよ、A、譲ったり？年上やろ？こんな小っちゃい子から取り上げんな」
って言われて、もっとおもんない。
『それやったら、おれもちがうんほしい！おにいちゃん！』
晶哉「ええよ、どれ？」
『それ。』
冷蔵庫の3段目を指したら
晶哉「自分で取ってや、届くやろ」
って笑われて、抱っこしてもらえんくて。
『でもおれも〜…！』
ふと横を見たら、
それを小っちゃい子にじーっと見られてて、
途端に恥ずくもなる。
晶哉「何？抱っこ？」
悪気なく直球で言われて、
おれはもっと嫌になった。
『〜っちがう！』
それだけ言い捨てて、
飲みたくもないペットボトルを自分で乱暴に取って、背を向けて速足で歩き出す。
後ろから呼び止められたけど楽屋に戻る。
戻る途中で、せーやくんまで、
お菓子落とした小っちゃい子に拾ってあげて
可愛いな〜言うてて、
おもんない！！もうイヤ！！
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作者名：めぐみ | 作成日時：2023年9月16日 23時
