A! と驚く僕の夢17 (ページ26)

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小っちゃいから…（晶哉/空野）3※ ページ26

(Aside)

さっきの自分の出番の曲終わって、近くに居た
今日仲良くなった関東のJr.の子たちと
喋りに行った。ちょっとならええかなって。

「Aくんダンス超かっこいい」

『え！？ありがとう！あとでうまい棒あげるな』

「さっきあっちで一緒に取ってきたやつじゃん」

『チーズあじー』

そうやって喋ってたら、その子たちが
「こっちだよ、急いでー」って
スタッフさんに
誘導されてるんに付いていってたら、

しばらく行ってから
途中で、「あれ？Aくんもこっちですか？？」
て周りの子に言われて、

ハッとした。

おれ、お兄ちゃんと一緒んとこ居らなアカンかった…！

『あっ……こっちちゃうかった！』

「うわ、大丈夫？」

『え、だいじょー…』
大丈夫ちゃう、どこ居るか自分でようわからへん。

キョロキョロ周りを見ても小学生のみんなばっか。

『えっ…あっ…どっちから来たんやっけ…』

「たぶん、あっち」

『あっち…！？』

そうこうしてる間に、
おれらの歌う曲のイントロが聴こえてきた。
『あっっあ！アカン！
おれ出てへん！！』

そのとき、イヤモニに
「あれ？Aは？」
って演出担当の先輩から指示入って。

『まいごっ…まいごーっっ』

まさかおれのヘッドセットのマイク入ってると思わへんかって
パニックになりながら叫んだおれのその声が、
お兄ちゃんたちの歌声と
かぶって会場中に響いた。

今度はイヤモニで振付師さんから
「A、何してんの」
てお叱りの言葉。

『ごめんなさいーっ』

「センステ。センステ来なさい。」

おれが迷子やってスタッフさん全員に伝わったから、
周りのスタッフさんがおれのことリレーみたいに
引っ張ってステージ下まで連れてってくれて
おれは急いで階段を駆け上がった。

曲の途中までお兄ちゃんたち6人でリハ続けてたけど
おれがステージ上がって慌てて立ち位置入って
踊り始めたら、

イヤモニから「ごめん、曲止めて。
Aの立ち位置確認できてないから
最初からやり直し」て指示が入った。

『ご…ごめんなさいぃぃぃ…』
どこに謝ったらええかわからへんくて
おろおろしてたら、

正門くんから「何してんねん」
て叱られた。

それとほぼ同時に、
無言で誠也くんからお尻を
バチィンッッ！！
と叩かれた。

『っっ！ぎゃぁぁっっいたいっっ』
涙が出るほど、お尻が痺れるみたいな痛みに
跳び上がってお尻を両手で押さえた。