A! と驚く僕の夢14 (ページ44)

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もう少し頑張るとき（誠也/空野、桐山/空野）5※ ページ44

(Aside)

バタバタと着替えて顔洗ってるあいだに、
那波くんが、置きっぱなしの台本をおれのリュックに
入れてくれてた。

玄関で、「もう遅刻確定やねんから、
連絡して焦らんと行き」て那波くんから言われた。

『おんっ、わかったぁっ』

マネージャーさんに慌てて電話したあと、
おれは、ロケ出発の集合場所に向かった。

結局、集合場所に30分遅刻。

『ハァッ…ハァッ…ハァッ…』
走ったせいで息切れして飛び込んだ先で
『遅れてすみませんでしたぁっっ』
慌てて頭を下げて大きな声で謝る。

「こっちも準備遅れてて、ちょうど今出発するとこだから
大丈夫だよー」

優しそうなスタッフさんに言われて、
ホッとする。

でも。。。

照史「A、また遅刻か」

目の前にきた照史くんに怖い顔で見下ろされて
照史くんがめちゃめちゃデカく見える。
まだ130cmにも届かへんおれ。
『あ……あ…』

照史「何や、寝坊か」

『はい…寝坊です…』
顔を見上げてるんも怖なって下を向いた。

照史「遅刻はアカン言うたん、忘れてへんな？」

『あ……っ』
左腕の二の腕を掴まれて、
横向きにさせられて
「お仕置きやな」言われて、
ハァーッて手に息をかけるんが見えたかと思うと、

バチンッッッッ！

お尻に火が着いたみたいな強烈な痛みが降ってきた。
照史くんの手で思いっきし1発お尻ぶたれた。
『っっ〜〜〜〜！！！』
痛すぎて声も出えへん。

今まで味わったことないぐらいの痛みが、
お尻全体にジンっジンって響いてきて、
目に涙が溢れてきてしゃがみこんで
両手でお尻を押さえて照史くんを見上げた。
『…っっごべんな゛だい…っっ』

照史「泣くな」
呆れたみたいな苦笑いで言われる。

『だっで……っ…めっっっちゃ痛い…っっです…っ』
うっ…うっ…って泣きながらそっと
お尻さすって立ち上がる。

照史「2日続けて遅刻はアカン。
A、わかってるやんな？
これから撮影やから泣かせんとこ思ったけど、
それやなかったらこんなんで済ませてへんで。」

もう顔は怒ってへんけど、
いつもの優しい照史くんとちゃう…！

『ごべんなだい…っ…』

照史「泣くなって。1発で済ましたった意味ないやろ」

笑われて頭をガシガシ撫でられた。
めそめそ泣いてたら、ぎゅっと抱きしめられて
「明日から遅刻せんと来れるな？」
て優しく背中をとんとんされた。
『はい…っ…』

そのあとはいつもの優しい照史くんやった。
お尻ヒリヒリやったけど、撮影も順調に終わった。