少し落ち着く居場所（桐山/空野）10 ページ20
(誠也side)
照史「いい子にしとき。本番までエネルギー取っとくんやで」
『はいっ！！』
Aの頭をぽんぽん、と撫でて照史くんが
行ってしまってから、
Aは『あきとくんに初めておしりぺんぺんされたぁぁ！』って興奮気味に話す。
『めちゃめちゃ痛くされた！痛かってん！
あきとくん手ぇ大きいし！』
大袈裟に話す内容の割には、
たぶん軽めに済まされたんも
なんとなくわかる。
正門「先輩の手ぇ煩わせるな。
俺ら見てへんとこで悪いことせんといて」
『もうせえへん！だってもうおしりぺんされるんイヤやもんっ』
正門「お尻叩かれんでも聞きなさい」
正門からAはお尻をパンッと叩かれたけど
『いたっ…！』って一言、
ちょっと身を反らしただけで『はぁいっ』
言うて平気そうにしとるから、
やっぱ、効き目と泣き顔の割に
そんな痛くされてへんのもわかる。
小島「A、朝から興奮しすぎや」
大晴「朝からやない、昨日、夜寝かすん大変やった」
晶哉「もう少し落ち着き？」
『はぁい』
小島「さっきよりはまだマシやけど。
さっきまでこうやって喋ってても
途中でどっか行ってまうぐらい落ち着きなかったもんな」
大晴「怒られな落ち着かへんの？」
『そんなことないっ』
晶哉「もう少し落ち着いとかな、怪我するで」
『もうした。』
あっけらかんと言う空野に、
俺以外はびっくりしとる。
リチャ「もうした！？」
『さっき階段からジャンプしたそこぶつけてん。
かみやまくんが湿布貼ってくれた』
大晴「大丈夫なんっ？」
『もうだいじょーぶ』
ニコニコしとる空野は、
痩せ我慢やなくてたぶんホンマに大丈夫そう。
リチャ「いつの間に怪我していつの間に叱られてん」
小島「ホンマ頼むで、A」
『もうかいだんで遊ばへんからだいじょーぶ』
小島「それやなくて落ち着いときて。無理やろけど」
翌朝、空野は照史くんに会った瞬間から
『あきとくん〜！おはようございます〜！！』
ってニッコニコで走って行って
抱きついとって、
昨日よりずっと懐いとった。
照史「おう、おはよ、A。
ケガ大丈夫か？」
『はい！もう痛ないです！』
照史「よかったなぁ。もんちにも「昨日のけが治ったよー」言うとく？」
て楽屋まで連れてってもらっとって。
空野を見守ってくれる先輩方が、増えた。
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作者名：めぐみ | 作成日時：2023年6月23日 10時
