少し落ち着く居場所（桐山/空野）9 ページ19
(sideなし)
話題を変えるように
「そういやA、ダンスめっちゃかっこええやん、事務所入る前からやっとったん？」
と明るく聞いた。
『動画とか見て、じぶんでやってただけです…』
照史「ホンマに！？凄ない！？天才やな」
『え…！』
褒められて嬉しそう。
照史「それに、Aがやったことない曲「もしかしてやるかもと思って昨日DVD見て覚えてきました」言うたん、凄いと思ったで。今からそんな努力できるんやったホンマ凄いな」
『あ…ありがとうございます…！』
すっかり泣き止んでほくほくの笑顔のAに、
照史「もうすぐ誠也たちリハ終わるんちゃう？連れてくで」
と声をかけて、
そっと下ろして小さな背中に手を当てて
一緒に歩いて楽屋を出た。
(誠也side)
リハ終わりにステージ裏の階段とこに
俺らがちょうど戻ってきたときに、
照史くんと並んで、
泣いたあとの顔やけど
ニコニコ笑って楽しそうなAが歩いてきた。
『せーやくん、あのな、さっきな、
階段とこでジャンプして遊んどってな、
あきとくんからおしりペンペンされてん。』
ニコニコしたまま報告してくる。
誠也「なんでそんな嬉しそうやねん」
『え？』
にっこにこの笑顔で、隣の照史くんを見上げて
エヘヘみたいに笑っとる。
誠也「ほんますんませんでした。
お手数おかけしました」
照史「いや、全然やで」
横で聞いとった正門が渋い顔して
Aに目線を合わせて問いかけた。
正門「何？A、また階段で遊んでたん？」
『そお。』
正門「次やったらお尻ぺんぺんやで言うたやんな？あっちでお仕置きやな」
『え…！でももうあきとくんからおしりぺんぺんされてん…！3回だけやけどほんまにめっちゃ痛かって…！』
正門「それでも、約束破ったんやったら、俺からもお仕置き。」
『え…！？』
Aがイヤやイヤやって騒ぎ出す前に、
照史くんが「正門、もうさっき叱ったから、
今日は勘弁したって」言うた。
「ぎゃあぎゃあ泣いてちゃんと反省しとったから。な？A」
『はい！』
照史「もしまたやった俺からお尻ペンペン100回って約束したもんな？」
『…はい…！』
それには一瞬間があったけどAは返事をした。
正門「照史くんがそうおっしゃるんやったら……」
『よかったぁ……あきとくんっありがとうございますっ』
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作者名：めぐみ | 作成日時：2023年6月23日 10時
