A! と驚く僕の夢12 (ページ26)

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ひとりで意地を張ってたら（リチャ末/正門）ページ26

(正門side)

今日は朝起きたときから
体調悪いなぁとは自分で思ってた。

熱測ったりしたら自分で数字見て
余計に具合悪くなりそうで
頭痛いしフラフラするわー
とは思いながらも、

とりあえず体に鞭打ってロケに向かった。
さすがに、ロケに穴開けるわけにいかへん。
熱あったとしても。再スケジュールとか無理やし。

今日は、ロケは全員やけど、
途中でチームに分かれて、
俺は晶哉とAと一緒やった。

チームに分かれる前に、
リチャくんが直接「正門、大丈夫か？
しんどそうやけど」って言うてきた。

正門「あー、大丈夫です。」

リチャ「ホンマに？具合悪いときはちゃんと言うてや？」

正門「大丈夫です、心配かけてごめんなさい」

リチャ「Aはあてに出来んけど
晶哉はまだ頼れるやろ。ホンマに大丈夫なん？
大丈夫そうに見えへんけど」

正門「大丈夫です」
仕事に穴開けたなくてそう言い張るしかなかった。

リチャ「倒れる前に言い？」

直接言うてきたのがリチャくんやっただけで
きっと気づいてても言うて来てへん人も居るけど
誤魔化すしかない。

ロケ始まる前は俺は気づかへんかったけど、
ロケ始まってから途中でチームに分かれて
次の場所に3人で歩いて移動してるときに
Aが『正門くん…？寒い…
からだ痛い…』言うてきて、

頬っぺた赤くして潤んだとろんとした目で
見上げてきた。

晶哉「大丈夫なん？」
隣にいた晶哉がAの額に手を当てた。
晶哉「それやから熱あるんちゃうって
小島くんも言うてたやん」

Aが体調悪そうなのは
たぶん晶哉ももっと早くに気づいてて、
何度か声かけたけど
よっぽど具合悪なるまでA自身が
無理してたか、気づいてへんかったか。

きっと俺が体調悪いのも晶哉は気づいてるけど、
フォローしてくれつつ
気づかへんふりしてる。

正門「大丈夫か？映ってへんとこは無理せんでええよ」

俺はAに背中を向けてしゃがんだ。
Aはたぶん歩くのもしんどくて
背中向けたら当たり前のように背中に乗っかって
おぶさってきた。
自分の体調のせいか
クタッと全身預けてきたAがいつもより
重く感じて、俺は力を入れて立ち上がった。

『頭痛い……』

正門「それはしんどいな」

晶哉「薬飲んどき？」

『んー……』

晶哉のその言葉にはテキトーな返事をして
俺の背中にもたれてるA。