A! と驚く僕の夢10 (ページ2)

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あったかい手（誠也/）前編ページ2

(Aside)

あ〜…早よ言わな…！

でも、やっぱり言えへん。。。

『せーやくん…』

誠也「ん？」

早く来すぎたから、
まだ誠也くんしか来てへん。
でも早よ言わな…！

誠也「なんや空野、そんなとこで入って来おへんの珍しいやん」

畳の上で振り返った誠也くんに
そう言われて、
思わずモジモジする。

『あの……』

誠也「何かアカンことしたやろ」
体ごとこっち向いた誠也くんから
普通のトーンでそう言われる。

『！！なんで…！』
なんでわかったん！？
『…なんでわかるん？せーやくん…！見てたん…？』

誠也「見てへん。」

体中に焦りが広がる。
『それやったらなんで…？』

誠也「空野見てたらわかる。何をしたん？」

『……さっきな、ひとりでリュックぐるぐる回してたらな、
ぶつかってな……照明1個割れてん……ごめんなさいっ…』

誠也「怪我してへん？」

『…してへんけど……こわしてもた……』

誠也「どこ？一緒に謝りに行ったる。」

怒られると思ってたし、
絶対お尻ぺんぺんやと思ってたのに、

誠也くんがそう言うて立ち上がったから
『ふぇ…？』
て変な声出た。

誠也くんにあったかい手で背中押されて、
さっき照明壊したところに行く。

誠也「ステージ！？わざわざここ来て遊んでたんっ？」
さっき、割った照明のとこに
誠也くんを連れて来たら驚かれた。

『…まだだれもおらへんとこ、おもろいな、って思って…
ここでリュック持ってぐるぐるして踊ってたら
壊れてん……』

誠也「そうなん？」
呆れ気味に言われたけど、

誠也くんはすぐに、近くにスタッフさんを探しに行ったから
おれも慌てて付いていった。

照明のスタッフさんを見つけて、
おれやなくて誠也くんが事情を話してくれて
「ホンマにすんませんでした」って
頭を下げてるのを見て、
慌てて隣で『ごめんなさいっ』て頭を下げた。

「あれなら電球の替えがあるので
すぐ直りますよ」てスタッフさんから言われて、
少しホッとした。

スタッフさんが行ってしまったあと、

誠也「行くで」

て言われて、誠也くんの後ろ付いていって
誠也くんたちの楽屋に戻った。

誠也「そこ座り」

そう言われて畳の上に正座した。