A! と驚く僕の夢

元気に送り出せるなら（誠也/）9 ページ22

大晴side

しばらく誠也くんに抱っこされて、
泣き疲れたんかAはうとうとし始めてた。



あんな叱られる前に、
もっとなんとかできるやろ、
て俺は大人やから思ってまうけど、

Aの狭い世界では
あれが正解やってんもんな笑

結果、めちゃめちゃお尻ぺんぺんされて
泣いてたけど、ええ経験や、やらな学ばへん笑



「俺、A送ってきますよ？」
眠ってしまったAを誠也くんから受け取って言う。


荷物ほぼなくてよかった。


この体重と大きさのAなら、
抱っこしてもなんとか運べる。

誠也「めっちゃ厳ししたけど、
大晴に任せてええの？」

「大丈夫です。どーせ、明日起こしたらなと思ってたんで笑」



すやすや口開けて寝てるAは
子供そのもので、

俺らとほぼ同じ仕事こなしてるなんか
信じられへん。
いたずらとかしてお尻ぺんぺんされてるぐらいが
丁度いいぐらいのただの子供にしか見えへん。


小学生やもんなぁ。
『たいちぇ、あのガチャガチャやりたい。』
とか普段言ってるぐらいの。



電車乗ってるとAが起きて、

「起きたん？もうすぐ着くで」
言うたら、寝ぼけながら
ふにゃ、とした顔で
『たいちぇ、抱っこして来てくれたん？
ありがとお』
とか言うから可愛いやん。

下りるて自分で言うから
抱っこから下ろしたら、

手すりに掴まって眠そうに立ちながら、
もう片っぽの手でお尻さすってモジモジしてるし。

「いっぱいお尻ぺんぺんされて痛かったやんな」
言うたら、

『シーッ！たいちぇ、電車で“お尻ぺんぺん”
言わんといて！恥ずかしいやんっ』
とAは小声で頬を赤らめて一丁前に言う。

「そやから、俺が言うたとおり先に
言うて謝っといたらそんなん
ならんかったやん」

『んー…っ…次はたいちぇの言うこと聞いとく…』
生意気な言い方やけどそこが可愛い。





寮に帰ったらもう那波も帰って来てて、

那波「おかえ……どうしたん？A泣いたん？」
大晴くんもおかえりなさいと付け足しながら
那波がAの顔を見て尋ねる。

Aは大胆に那波に背中を向けて、
ズボンもパンツも下ろして
『これ見てやー！誠也くんにお尻ぺんぺんされてんで！』
と顔だけ振り返って那波に見せている。
『お尻真っ赤っかやろ』
なんで自慢げなん？
「自慢することちゃうやろ」て俺が言うと、

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