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「A!よかったなぁ!!」
大声をあげて手を広げ、こちらに走ってくる兄。
あまりに勢いが良すぎて、ぶつかると痛そうだし、
「うわ」と避けると兄はその勢いのまま後ろにいた虫さんに抱きついた。
「ちょっとてっちゃん!」
ぐいぐいと兄を押して剥がそうとする虫さんを見て笑いが起こる。
と、後ろから誰かに抱きしめられた。長い腕。
「りょうくん…?」
「もう、こんなことしてもいいんだよね?」
その言葉は今まで我慢してきたのを許された子供のようだった。
背中を伝って彼の早い鼓動を感じた。
「あっ、ずり」
と兄が声をあげ、こちらに向かってこようとすると、
あんなに引き離そうとしていた虫さんが今度は兄の服を引っ張り、
「いい雰囲気なんだから邪魔すんなってお前!」と必死に引き止めていた。
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作者名:リオ | 作成日時:2018年9月10日 7時