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虫眼鏡side


しばらくして、としみつが起きた。


部屋から出てきて欠伸をしつつおはよ、と一言。


さぁ、りょうくんの機嫌も悪いことだし、


早速本題に入ってやろうかな。


「なんでAと寝てたの?」


「あ?あぁ、それは…」


そう言って話し始めたとしみつ。


Aを安心させてやろうとそばにいてあげたら


そのままそこで寝てしまったらしい。


「なんだ、としみつただの良い奴やん」


笑顔でそういうりょうくんだけど、その笑顔の裏に


嫉妬が隠れているのをとしみつは知らない。


「だろ?」とご機嫌に返して顔を洗いに行った。


「ねぇ、虫さん」りょうくんは言う。


「俺が自分で抑えられなくなったらそん時は止めて」


何を止めたらいいのか、そこまでは言ってくれなかったけれど


抑えきれなくなるほどの何かを抱えていることは分かった。


いつも余裕のあるりょうくんがこんなこと言うなんて珍しい。


そう思いながら一応頷いておいた。

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作者名:リオ | 作成日時:2018年9月10日 7時

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