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「落ち着いた?」


私と一緒に泣いていたくせに、兄は卑怯だ。


私ばかりが甘えて泣いていたみたい。


でも今まで甘えてきたのは私なのだと、そう思って黙って頷いた。


さっきより向こうの部屋が騒がしい。


あぁ、またきっと人が増えているんだろうなぁ。


兄のことだ、動画を一緒に撮るメンバーはきっと多いんだろう。


すっかり冷えてしまったであろうご飯はどうしようか。


今になって緊張が解けてきてちょっとずつ頭が働くようになってきた。


「A、ちょっとあっち行ってくるけどなんかいる?」


「ううん、私も行く」兄は驚いていた。


正直なところこの部屋の向こうに行ったら正気でいられるか分からない。


だけど、このままの自分じゃ嫌なんだ、変わりたい。


あの目に耐えられさえすれば。


兄は「本当にいいの?」と再度確認したあと、


私の頷きを見てそっとドアを開けた。

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作者名:リオ | 作成日時:2018年9月10日 7時

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