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お願い、助けて。


目隠しというものはこんなにも暗いのか。


そこにあるのは闇、闇、闇。


聞こえるテレビの音と体に触れるカーペットの感触から家の中らしいが、


そんな情報は何の役にも立たなかった。


叫びたいところだが、口も塞がれている。


手も、足もロープで縛られていた。


恐らく隣には兄がいて、何日も前からもがいていた。


んーっ、という声にならない声を上げて、


ひたすらにロープを外そうとしているのだろう。


きっと彼の腕には血が滲んでいる。


あぁ、あいつが帰って来てしまった。


私たちを誘拐した男は、私たちを放置して


どこかへ行っては帰ってきて、私たちで遊ぶのだ。


足に触れる汗ばんだ手に声を上げる。


と言っても塞がれているからんー!としか言えない。


兄も隣で叫んだ。気持ち悪い。


ただその一言に尽きる。

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作者名:リオ | 作成日時:2018年9月10日 7時

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