紅一点ガールは菊池の彼女

もどかしさ ページ22

健人side


風磨、それは·····


それは許せねえよ


「容態はどうなのか」とか、「治るのか」とか


彼女になら、もっとかける言葉があんだろ


なのに、


あれはないだろ


俺が思ったことを言うと、風磨は俯いた


健人「·····Aは、命に別状はないって」


健人「けど、」


健人「相当脳に大きなショックを受けたらしくて、目を覚ます保証がないらしい」


風磨は驚いたような顔をする


俺はAの病室の扉を開けた


そこには、


生命の素となる管をたくさん繋がれた俺らの、


俺らの大切な姫が横たわっている


健人「多分、Aのニュースは明日流れる」


風磨はAの傍に立ち、そっと頬を撫でた


その瞳には後悔のような、なんとも言えない複雑な感情が浮かんでいた


風磨「A·····」


声が震えている


風磨「·····ごめん、」


手も、心なしか震えているようだ


風磨「ごめんなぁ·····っ」


見ると、その瞳からは涙が溢れていて


風磨「俺のせいだよなっ·····」


Aは、動きもしない


風磨「こんな彼氏で、本当にごめん·····」


俺はもう、


何も言えなかった

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