【原神】命の恩人？いや危険人物です。【タルタリヤ】

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この広大な土地テイワットでのんびり気ままに旅をする。
そんな暮らしが出来たら何よりも幸せだろう。

私はこの広大な土地を巡り旅をする、旅人だ。
元はと言えば本でしかみたことのなかったこの世界を、実際に自分の目で確かめてみたかった。


初めて見る魔物、初めて見る植物、初めて見る動物、食べ物、建造物、文化、言語、全てが驚きに満ち溢れていた。
元素も本である程度知ってはいたが、いざ実際に見たり体験してみるとすごいものだ。

あの水のスライムと雷のスライムから一度に襲われた時…思い出しただけで寒気がする。


私は神の目を持っていないから、魔物に遭遇した時は逃げることしか出来ない。
しかしある時、私を助けてくれた人がいた。



「ちょっと、いい加減にしてもらえます？」

いつも隣を歩いてくる彼に愚痴をこぼす。
あれからというもの、ずっと私の横をついて回ってはいつの間にか一緒に旅をしてるかのようになっている。


「別に私一人でもやっていけます。逃げ足だけは自信あるので」

今までそうやって戦いを潜り抜けてきたんだ。別に今に限った話じゃない。
そしていざ怪我をしようと死のうと旅に出ている以上、その覚悟はできている。


「本当にそうかな。でもさ、せっかくの戦いなのに逃げたら勿体無いと思わないのかい？」

「全く思いません」

　
ファデュイ執行官第十一位、タルタリヤ。
ファデュイのことはもちろん知っている。だからそんな彼に助けられた時は心底驚いたが、何も害のない一般人を襲うわけではないらしい。
もし私が神の目を持っていたら、襲われていた可能性はあるかもしれない。

顔も整っていて高身長、そんな彼に命を救われたのなら一目惚れもするだろう。
が、中身は別である。いつも戦闘を好み、安全な道と危険な道があるなら迷わず危険な道に行く、どこか危ない人だった。

こんな人と一緒に旅なんてしたらいつ何が起きるかわからない。
むしろ一人の方が安全とも言える。
『命を救ってくれた王子様と旅出来るなんて』？
違う。『いつ爆発するのかもわからない爆弾を抱えて旅してる』の間違いだ。

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