25 ページ26
あれからスクスク育った天音は1歳半になっていた
侑治は頻繁に家にきたし、
バレー仲間も皆変わらず頻繁にうちに来てくれた
私の視力は一気に悪くなり、ボンヤリしか見えない
けど周りにまだ話せずに居た
怖かった
段々と愛する人と愛する娘が見えなくなる
目を擦ってもぼんやり
まるで望遠鏡を逆さまに見た時みたいだ
怖かった
目を閉じたら明日は真っ暗の世界かもと毎晩不安だった
ある日から豆球を付けといてほしい、、良いかな？と信介さんに言えば焦ったように聞かれたが、母乳あげる時暗くて、、と誤魔化した
いざ話すと現実が襲う
まだ
まだ大丈夫
まだ
お願いもう少しみたい
貴方が年老いてく姿も見たい
天音が成長する姿もみたい
桜木先生に相談し見えなくなった時の点字を勉強し
杖で点字を歩く練習をした
毎日リハビリに昼間通った
幸いにも天音を見てくれる託児所つきだ
今日も先生が迎えに来てくれた
「よろしくお願いします。毎日すみません、、」
先「大丈夫だよ！しかし、、まだ話せてない？」
「……怖いんです……言えば明日には見えなくなりそうで。言えば明日には信介さんは仕事行けなくなりそうで、、」
先「……大丈夫だよ。見えなくても愛してるでしょ？……信介くんも同じだよ。」
「……今日……話してみます……」
「ぁうっ、あーう」
私の決意を応援するように擦り寄る天音
可愛い可愛い我が子
目は私似の生まれつき薄い茶色だった
髪も薄い金
鼻は信介さん似
耳も信介さん似
口は私似
可愛いその子は
遺伝子検査でアルビノでは無かった
けど色素が薄く
いつ発病してもおかしくない
私と同じになってほしくない
あの喜びあったクリスマス
あれから天音への手紙ノートは3冊目になっていた
字が見えない
うまく掛けてるかわからない
今年一杯書いたらあとは
点字で書こうかな
沢山の幸せと沢山の不安
先「はい、終わり！お疲れ様」
「……先生。。私は今年見えなくなりますか？」
先「……うん。今のまま行けばね。」
「そっか。ちゃんと答えてくれていい先生です//」
先「……大丈夫。大丈夫だよ……」
私の目は赤かった
ウサギみたいな目
ねぇ信介さん
ごめんなさい
負担かけてしまう
ごめんなさい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 140人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
waka(プロフ) - 一気読みしてしまいました！！本当に面白かったです！これからも頑張ってください！！ (5月5日 16時) (
レス) @page37 id: 140287e0ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：椎名りら | 作成日時：2023年12月22日 14時
