拝啓。私に生を強要した神に告ぐ.mfmf (ページ1)

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あの日のことページ1

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たまたま、本当に偶然だった。

その日は酷く晴れていて、太陽の光が目の奥を焼くようなそんな感覚に襲われた。

そんな時、廃ビルを見つけて眺めてみると、屋上に何やら人影が見えた。

屋上まで行けるのか、と素通りしようと思ったが、何やら様子がおかしい。

もしかして、と五階ほどの建物の階段を急いで上り、屋上まで登り詰める。

すると、一人の女の子が柵を乗り越えていた。

正直、助けるつもりも声をかけるつもりも無かった。けれど気がついたら体が動いていた。

「あのっ！」

驚いたように目をみはり、振り向く際に揺れた彼女の瞳を見て、不思議な感覚におちいった。

『…なぁに？』

透き通った儚い声。

きっと誰であろうとこの声を聞いたら羨ましがるだろう。

ここで彼女のことを止めずにいるのはとても、もったいない気がして、僕は引き止めた。

「よかったら、僕と一緒に居てくれませんか？」

…これってプロポーズに入らないよね？

*